「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

回転寿司の新潮流

2007年6月4日

新たな局面に入った寿司業界
キーワードは「職人的仕事」

寿司業界が今、ひとつの転機を迎えようとしている。価格の明朗化、低価格化、グルメ化など、3回にわたるブームで客層の拡大を牽引してきた回転寿司。そして今、M&A(企業の買収・合併)などによる再編が始まった。そのような中で、江戸前寿司が本来持っていた「職人的仕事」の良さが見直されてきている。コンベアを初めとする周辺機器技術が革新を続ける一方で、職人の持つ「技」と「接客技術」をどう生かしていくかが、今後の成否を分ける鍵となりそうだ。

これからの寿司店のあるべき姿を、身近な回転寿司の変遷からみてみよう。

回転寿司が登場したのが1958年、東大阪市の「廻る元禄寿司」が第1号だった。これから50年ほどの間に、3回のブームがあったといわれている。

第1次ブームは70年代後半から80年代に掛けての、いわば勃興期。74年に、現在の回転寿司コンベアの原型ともいわれる、自動給茶機付きのコンベアラインが登場。繁華街や駅前の小型店が主力だった立地、出店形態も、70年代末ごろから郊外型店へと拡大。客層も初期の学生やサラリーマンから、家族客や女性客も取り込み広がった。当時、子供の間に「寿司はお皿に載って回るもの」といった認識が広がった時代だ。ちなみに、「広辞苑」に「回転寿司」という言葉が登場したのは91年のことだ。

90年代前半からの第2次ブームの特徴は、グルメ寿司と均一料金制の店の並立という現象があげられる。回転寿司の普及とともに、勃興期にあった「値段は確かに安いけれど……」といった声に応えるためと、さらに楽しさを演出する手法として、「アナゴの一本付け」に代表される「デカネタ化」や「ネタのグルメ化」が進み、品質面で向上を見せた時代だ。

その一方で、回転寿司の魅力である「価格の明朗化」をさらに推し進め、「全皿120円均一」といった販売戦略をとるチェーン店も登場、消費者の選択肢を広げ、人気となった。

Next: 第3次ブーム以降の動きの中に回転寿司業界再編成の原因が

次のページへ
日経レストランONLINE トップへ