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知っておきたい店情報

広がる“深夜ごはん”29席で月商1500万円

龍吟(日本料理店、東京・六本木)

2005年10月10日

文=やぎぬま ともこ
写真=高瀬 信夫

都心で“深夜ごはん”マーケットが広がっている。これまでも、簡単な食事のできるカフェバーなどはあったが、フレンチ、イタリアン、日本料理など様々な業態の店が、より本格的な食事を提供するようになってきた。ライフスタイルの変化に伴い、夕食の時間が深夜にズレ込んでも、質の良い食事をきちんとしたいという需要が増えているようだ。

東京・六本木にある日本料理店「龍吟」は、“深夜営業の先達”とも言える店の1つ。現在の営業時間は18時から翌2時の8時間。1万5000円からの「会席コース」(全13から14品)が基本だが、20時30分以降は単品料理(1000円から)も提供する。

A 「天然鰻とフォアグラの炭火焼」

B 「鱧と松茸のすり流し」

C 「林檎あめ“2005”」(2万円のコースより)。


常連客は、テレビ局やIT関連企業が集まる六本木界隈で働く人々。深夜まで働くことが多いので、夕食の時間帯も遅くなりやすい。また、近隣にはレベルの高い飲食店が多いことから、概して舌が肥えている。足繁く「龍吟」に通うのは、吟味された食材を、きちんとした和の手法で、遅い時間でも食べられるからこそだろう。

実は、「龍吟」は2004年9月から3カ月間、「ランチを導入して」というお客の声に応え、深夜ではなく昼間に営業し、夜はラストオーダーを22時までとした。しかし、常連客から「夜中に本格和食が楽しめる店はない。営業時間を元に戻して」と苦情が殺到。ランチを中止し、深夜営業に復帰した。

D 料理はいずれも本格的。ラストオーダーを翌1:30にしたのは、「日付が変わっても行きやすい」と思ってもらうため

ランチ営業は客単価が下がるという弊害もあった。深夜なら、単品を頼む人でもワインなどを一緒に注文する一方、昼から酒を飲む人は少ないからだ。深夜営業のみに戻した結果、月商は5割増え、1500万円になった。

「龍吟」は、ライフスタイルの変化によって生まれた需要を素早く捉えて成功した好例。お客を取り巻く生活や環境の変化を認識し直すことが、商機拡大につながるはずだ。


店舗DATA

東京都港区六本木7-17-24 サイド六本木ビル1F
TEL:03-3423-8006
2003年12月23日開業
店舗面積/約36坪(120平方メートル)●席数 / 29席●営業 / 18:00 - 翌1:30(L.O.)、日祝定休●スタッフ数 / 12人(ピーク時)●客単価 / 2万5000円(ドリンク込み)●1日の来客数 / 25人●月商 / 1500万円●経営/龍吟●設計/ジ・エアー デザインスタジオ(TEL:03-5486-1708)●施工/イシマル(TEL:03-3403-7088)


※この記事の情報は、2005年10月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。