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知っておきたい店情報

カジュアルな和食・洋食を出すレストラン

minobi(レストラン、東京・芝)

2006年4月21日

文=橋本 伊津美
写真=小川 玲子

「minobi」は、カジュアルな和洋食を提供。手前から、「本日のお魚と紅心大根のカルパッチョ 焼雲丹と白醤油のドレッシング」(1600円)、「minobi特製 鴨ネギ梅しそ丼」(2000円)、「ビーフシチュー」(2000円)

自店のお客から出資を募り、次に出す店舗の出店費用に当てる──。こうして4年間で3店を開店したのは、東京・麹町のフランス料理店「オー グー ドゥ ジュール」などの代表・岡部一己氏。今年2月にも、東京・芝にレストラン「minobi」を同様の方法で出店した。短期に資金を集め、出店している事実は、ファンの多さと信用力の高さを物語る。

上記の資金調達法は、商法535条の匿名組合という契約に基づく。匿名組合員であるお客は、企業そのものではなく、企業の特定の事業に対して出資するが、事業運営は行わず、岡部氏ら営業者に任せる。営業により生じた利益は、出資比率に応じて「配当」として受け取る。

2002年10月に開業した「オー グー ドゥ ジュール」は、2003年に2.4%、2004年に4%の営業利益を確保し、それぞれ1口当たり2400円、4000円の配当を実現。2号店の「オーグー ドゥ ジュール メルヴェイユ」は2005年に1口当たり2000円を配当した。


「minobi」はオープンキッチンでテーブルには箸を並べ、気軽な日常利用を狙う。目標年商6000万円

岡部氏は「決して赤字にできない責任を感じる」と話す一方、「株と違い、高額な配当ではない。しかし、だからこそ『美味しい料理とすばらしいサービスを提供したい』という理念を応援してくれる人だけが集まる」と匿名組合の魅力を語る。


各店は別会社で経営し、透明性を保つ。赤字店舗が出た場合、黒字店の出資者に「赤字店の損失を補って、自分の配当が減るのでは」などと不安を感じさせないため

匿名組合の利用を決めたのは、「オー グー ドゥ ジュール」の物件契約の時。「資本家の息子で担保になる土地でもない限り、自己資本だけで契約金を用意するのは難しい」と話す岡部氏は、知り合いの弁護士に資金の調達法を相談し、匿名組合を紹介された。その後、都内のフランス料理店で10年間ギャルソンを務めた間に知り合ったお客に出資を依頼。32人から600万円の出資を受けた。

信頼を得られれば、資金調達は可能──。匿名組合は、金融機関からの信用度が低い小規模店でこそ活用できる、新たな資金調達手段と言えそうだ。


店舗DATA

「minobi」 東京都港区芝3-42-9●TEL:03-5484-7788●店舗面積/15坪(49.5m2)●客席/16席●営業/11:30~14:00、18:00~22:30、日曜休●スタッフ数/4人●客単価/7000~8000円●1日の来客数/30人
「オー グー ドゥ ジュール」
東京都千代田区四番町4-8 野村ビル1階●TEL:03-5213-3005
「オー グー ドゥ ジュール メルヴェイユ」
東京都中央区日本橋3-8-13●TEL:03-6202-1991


※この記事の情報は、2006年3月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。