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知っておきたい店情報

ジャンルごとにキッチンが分かれたレストラン

東京フードシアター 5+1(実験レストラン、東京・秋葉原)

2006年6月2日

文=大谷 珠代
写真=小川 玲子

ホールの一角には、和食、エスニック、仏、伊のオープンキッチンとバーカウンターの、5つのブースがある。そのほか店外に弁当販売ブースがあり、それが「5+1」の由来

料理を作ると、何を何℃で何分間加熱したかや調味料をいつどれだけ入れたかのデータが自動的に記録され、自分で書きとめなくてもレシピが出来る。そうしてデジタル化されたレシピや食材情報が各店舗に配信され、店舗の冷蔵庫のスイッチを押せば、食材の在庫や栄養情報、その食材を使った料理のレシピがカーナビのように画像や音声で流れてくる。厨房機器もナビに合わせて作動し、温度や加熱時間も自動的に管理できる──。IT化が進んだ未来の厨房では、こんなことが可能になるかもしれない。

こうした次世代の厨房機器の実現を目指し、産官学連携事業の研究開発や実証実験をする場が、今年3月、東京・秋葉原に登場した。「秋葉原をIT関連産業の世界的拠点に」という都の構想に基づき、デベロッパー3社が共同で開発した秋葉原クロスフィールド。その一角を成す「秋葉原UDX」内に登場した「東京フードシアター 5+1」だ。

ホールのIT化実験も進めており、最新メディアを体験できるのも同店の魅力の1つ。壁には今後、厨房での調理風景などが映し出される

約200席の客席を抱え、セントラルキッチンのほか、和食、イタリアン、フレンチ、エスニックの4つのオープンキッチンブースを有するこの店。消費者向けの顔は、和食からフレンチまで幅広く提供する普通のレストランだが、厨房はオール電化で、将来的には、厨房ネットワークシステムにより機器の運用履歴管理やT.T.(時間・温度)管理が可能になったり、調理作業状況を撮るカメラが設置されるなど、次世代厨房実現に向けたインフラが整っていく。


5月からはお客の求めに応じてカロリーや原産地情報を自在に取り出せる携帯端末も導入する

今後、通常の営業や、料理コンテストなどの各種イベント開催を通じて、デジタルレシピの実現に必要な調理履歴データを収集。デジタルレシピを利用できる厨房システムやその配信システムの実現につなげる。

「今の料理界には音楽業界のような著作権が存在しないが、レシピのレコーディングや配信が可能になり、著作権化が実現できれば、料理人のモチベーションが上がる。また、在庫の管理が楽にできればロスの軽減につながるし、栄養情報とデジタルレシピが融合すれば、お客の健康状態に合わせた料理の提供もできる。厨房の効率化や新ビジネスモデルの創出を目指す」と、新産業文化創出研究所の廣常啓一社長は言う。


店舗DATA

東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX4F
TEL:03-5297-8441
2006年3月30日開業●店舗面積/202.5坪(約668m2)●席数/200席●営業/11:00~17:00、18:00~23:00、無休●スタッフ数/ピーク時30人●客単価/昼1000円、夜4000~5000円●月商/3500万円(目標)●経営/新産業文化創出研究所


※この記事の情報は、2006年4月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。