「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

知っておきたい店情報

新鮮な刺身が看板料理の“ガード下”の店

海鮮山鮮料理やんて 福島店(居酒屋、大阪・福島)

2006年8月11日

文=石田 千代
写真=浮田 輝雄

「やんて」の人気メニューより。手前から時計回りに、「お造り盛り合わせ竹」(2500円)、「アボガドとまぐろのユッケ風」(850円)、「えび茶巾クリームコロッケ」(800円)、「合鴨と茄子のはさみ焼き」(900円)

高架下、いわゆる“ガード下”の店は、客単価が安く、近所に勤める男性会社員が週に2~3回通う、常連客で持つ店というイメージがある。

新鮮な刺身を看板料理とした「海鮮山鮮料理やんて」福島店が、大阪の福島駅近くに開店したのはおよそ10年前の95年10月のことだ。客単価4000円という価格は、決して安い値段ではなく、むしろ高めだ。しかし同店は、高架下というチープなイメージをくつがえして、40坪66席という店舗規模で月商1000万円を売り上げる、大繁盛店である。


店内は、1階がカウンターとテーブル席、2階は座敷席と、多様な利用動機を吸収

福島駅は、環状線、東西線、阪神本線と3つの路線が交わる乗換駅。大阪一の繁華街、梅田からも1駅、タクシーでワンメーターという恵まれた立地ながら、映画や買い物といった娯楽施設が無い。このため、お客は近所に勤める会社員、目的来店客しか望めなかった。こうした背景から、ここ数年は飲食店の入れ替わりが激しく、長続きが難しいとされていた。「やんて」を運営する、フェイス代表取締役の笠井哲氏は、息の長い繁盛店の経営の秘訣をこう語る。


大きく目立つ外観と看板で、庶民派をアピール。一方で、料理は本格的というギャップがリピート客を掴む

「バブル崩壊後は、勝ち組、負け組みがはっきりとしてきたが、価値あるものにはお金をかける人達は増えてきたのではないでしょうか。高齢化社会を見据えて、高品質の魚介類と、ここでしか食べられない創作料理を、高架下の店で食べられるというギャップが支持された」。

「やんて」の名物料理は、その日の仕入れによって変更するお造り。産地直送の魚介を使用する。また、人気メニュー「エビ茶巾クリームコロッケ」(800円)は、ホワイトソースから手作りし、海老を1本丸ごと巻いたオリジナルメニューだ。

同社は、今後もこうした成功体験を生かし、多店舗展開やプロデュース業など、飲食の分野で多方面に事業を拡大していく方針である。


店舗DATA

大阪市福島区福島7-11-51 福ろうじ内
TEL:06-6457-6930
1995年10月開業●店舗面積/40坪(132m2)●席数/66席●営業時間/17:00~翌3:00 第3日曜休●スタッフ数/9人(ピーク時)●客単価/4000円●1日の客数/85人●月商/1000万円●原価率/32%●人件費率/25%●経営/フェイス●設計/自社


※この記事の情報は、2006年7月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。