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知っておきたい店情報

個室にいろりがある割烹

いろり割烹 稲穂(いろり割烹、東京・虎ノ門)

2006年9月29日

文=やぎぬま ともこ
写真=高瀬 信夫

堀ごたつタイプの部屋は、テーブル中央にいろりを配し、お客自らが旬の素材を焼いて楽しむ。日本全国の有名酒蔵から取り寄せた日本酒は30種類が揃う。情緒溢れる個室は、まるで日本旅館の一室にいるようなくつろぎ感がある

2005年のオープンから、わずか3カ月で黒字に転換。接待需要にターゲットを絞り込み、いろり割烹という新スタイルで月商800万円を売り上げる「いろり割烹 稲穂」。

経営は有名店のコンサルティングも請け負う東京マーケティング。同社の加藤秀俊代表は、業態開発にあたり、「素材ブームの中で今どきの高級店に何が必要か」を考えた。

シンプルに素材感を生かすために七輪を使って焼くだけでは、郷土料理店のイメージが強くなり客単価1万円は狙えない。そこで、「くつろげる雰囲気と内装」「素材感を生かした料理と味」「ホスピタリティー」の3要素のバランスを重視して、ビジネスマンがスマートに接待できる、いろり割烹という新スタイルを作り上げた。

出店する場所にもこだわった。駅には近いが1本裏通りで、回りに大衆店やいかがわしい施設がないなどの条件をつけて探した。しかも一軒家で、客席はすべて個室の店に絞った。

コンセプトは接待を成功に導くために“気配りのできる店で宴を演出する”だ。サービスのモットーは、日本旅館に息づく細やかな気配り。例えば、お客との最初の出会いとなるあいさつは重要。奥ゆかしく会話して本日の料理の説明をする。帰りは外に出てお客が見えなくなるまでお見送りをする。

(左)1万2800円のコースの内容は季節の前菜、鮮魚造り、季節の煮物、鮎塩焼き、栄螺壷焼き、特選和牛サーロインと季節野菜炭火焼き、白ご飯釜炊き、味噌汁、水菓子。写真は季節の前菜
(中)お客が自ら炭火で焼き上げる鮎塩焼き
(右)個室でふっくら炊き上げる釜炊きごはん。これに浅草万久製の手造り味噌を使った味噌汁が付く

料理は、全国展開する老舗の日本料理店で煮方を10年以上経験した料理長による季節の前菜や煮物。そしてメインとなるいろりでの炭火焼きはアワビや鮎、ハタハタなど、その時々の旬の魚と最高級のA5ランクの米沢牛を提供する。シメのご飯は個室の中で炊き上げ、五感で楽しんでもらう。

今では外資系金融関係やテレビ局関係者が固定客となり、客単価は1万7000円を超えている。2010年までには、10店舗の出店を視野に入れている。


店舗DATA

東京都港区虎ノ門1-5-3
TEL:03-5501-3111
2005年10月開業●店舗面積/35坪(115.5m2)●席数/40席●営業時間/17:00~23:30(L.O.22:30)、日祝定休●スタッフ数/7人(厨房3人、ホール4人)●客単価/1万7000円(ドリンク込み)●月商/800万円●設計・施工/自社


※この記事の情報は、2006年8月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。