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知っておきたい店情報

都心のガソリンスタンド跡にオープンした居酒屋

魚眞 乃木坂店(鮮魚居酒屋、東京・乃木坂)

2006年12月22日

文=大谷 珠代
写真=福田 一郎

入り口付近には20~30種類の魚を並べた平ケースがあり、その両側にはカウンター席

店頭には青や黄色の大漁旗。入り口には魚介類を並べた平ケース……。10月2日、防衛庁跡地再開発で沸き立つ東京・乃木坂の外苑東通り沿いに、ひときわ目立つ居酒屋がオープンした。築地の仲卸が経営する「魚眞 乃木坂店」だ。常時40~50種類の魚を取り揃え、平日はサラリーマン、土日は家族客で大賑わい。60坪、100席で初月1600万円を売り上げた。

それにしても都心でこれだけの規模。「スケルトンから作ると1億円はかかるが、実際の初期投資は1500万円だった」と「魚眞」の加世井眞次社長は言う。その功労者は上昇気流(東京都渋谷区)の笹田隆社長だ。

上昇気流は居抜き物件の仲介を行う会社。物件を探し出し、登録した出店希望者に紹介。出店者が気に入ると、上昇気流が店内設備を買い取り、オーナーと賃貸借契約を結んだ上で、必要に応じて改装や設備投資を行う。

出店者が負担する初期コストは、加盟金と加盟保証金(入居保証金や造作代によって変動。5年で2割償却)のみ。あとは毎月、家賃相当分、内装・設備償却相当分、坪当たり3000円の定額システム使用料を支払う方式で、出店者にとっては、初期投資が通常の5分の1程度になるのが魅力だ。


外観を見ると、確かに元ガソリンスタンド。赤い壁はカフェ時代の名残り

実は「魚眞」の物件も、元々ガソリンスタンドだった建物を東京コカ・コーラボトリングがカフェとして運営していたもの。開業の際に一部増築をしたが、テーブル席では赤を基調とした内外装や椅子をそのまま使うなどして、コストを抑えた。

居抜き物件の賃貸ビジネスはほかにもあるが、多くは出店者に運営委託する方式で、店側は特定の業態しか出せなかったり、売上金をいったん業者に振り込み、ロイヤリティーや家賃を差し引かれることが多い。それに対し、上昇気流は、出店者が業態を決められるほか、売上高を自ら管理できるなど独立性が高く、月々の支払いも定額のため売り上げ増が利益増に直結する。


(左)手前はネギトロ、ウニ、イクラ、ズワイが載った「乃木坂名物 極上4種ののっけ寿司」(1500円)、奥は「天然ぶりカブト」(1500円)。アルコール類はオール500円
(右)店の一角には立ち食い寿司コーナーもある

「やる気のある人の独立を支援したい」(笹田社長)と、十分な担保を取らず、前の勤務先の推薦状と面接だけで出店できるのも特徴だ。2005年2月の第1号案件以来7店が開業。居抜き物件の新ビジネスとして注目を集めている。


店舗DATA

東京都港区赤坂9−6−32
TEL:03−3405−0411
2006年10月2日開業●店舗面積/60坪(198m2)※2階の屋外席は含まず●席数/約100席(うちカウンター18席、立ち食い寿司10人程度)●営業時間/17:00~24:00、日祝休●スタッフ数/15人(ピーク時)●客単価/3500~3800円●月商/1600万円(1カ月目)●設計・施工/スタジオムーン●経営/シン


※この記事の情報は、2006年11月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。