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知っておきたい店情報

オリジナル鍋で人気のモダンチャイニーズ

神田 雲林(中国料理、東京・神田)

2006年12月27日

文=やぎぬま ともこ
写真=高瀬 信夫

辛味と酸味が絶妙に溶け合う「ホウボウと酸味白菜の四川マーラー鍋」(3500円)は、食べると体がポカポカに。冬にピッタリの土鍋料理だ。写真の土鍋は3~4人前。酸味白菜は、5%程度の塩水に最短でも1カ月ぐらい白菜を漬け込み、発酵させる。魚はホウボウのほか、カサゴなども利用する

今年5月、東京・神田にオープンした「神田 雲林(ユンリン)」は、冬の新看板メニューとして、12月より中国で食べられている土鍋料理をバラエティー豊かに提供している。

最初に始めたのは自家製の酸味白菜を使った「ホウボウと酸味白菜の四川マーラー鍋」だ。酸味白菜とは白菜を塩漬けして発酵させた漬物で、中国では寒い地域でよく食べられるという。


手前は創意工夫が光る一品「ライチとラズベリーの肉巻き黒酢すぶた」(1600円)で、女性に好評のメニュー。パルメザンチーズをかけて焼き上げる「上海蟹と海鮮のジャンボマッシュルーム詰め オーブン焼き」(奥、1600円)は、優しい味わいだ

「韓国でも発酵が進んだキムチを鍋に使うように、中国でも漬物を鍋や炒め物に使います」と話すのは、オーナーの成毛幸雄氏だ。同店では、独自にハマナスの酒や多めに山椒を入れて、白菜を漬け込み、香りを豊かにしている。マスコミが土鍋料理を取り上げたのをきっかけに、提供開始前から予約が次々と入ったという。

元々、この界隈は、古き良き神田の老舗ばかりで、フリー客を多く望めるエリアではない。「今日はこの店で食べたい」という、目的意識をきちんと持っているお客に選ばれるメニュー戦略が必要だと考えていた。

「その1つが土鍋料理だ」と成毛氏は言う。「日本で知られている中国の鍋はごく一部。ほかにも白子を使った腐乳鍋など、日本で知られていない中国の土鍋料理はまだまだたくさんあり、それらの美味しさを、一過性の流行ではなく、根付かせながら広めたい」と言う。


落ち着いた店内。これまで、神田には落ち着いたモダンチャイニーズの店がなかった。昼は女性客、夜は接待利用の男性客も多い

夜のメニューはコースとアラカルト、今月のお薦めという構成だ。土鍋料理は今月のお薦めで、月替わりで2種類ずつ提供する。コースでも事前に予約しておけば1人前から注文を受け付ける。

オープン後3カ月、集客に苦しんだ経験を教訓にし、メニューに工夫を加え続ける。昼は値ごろ感を印象づける小鉢やデザート付きのセットメニューに変えた。夜は新看板メニューである土鍋料理が確実に固定客を掴み、坪月商は19万円に達する。


店舗DATA

東京都千代田区神田須田町1−17 2F
TEL:03−3252−3226
2006年5月17日開業●店舗面積/28坪( 92.4m2)●36席(14名と2名用個室各1)●営業時間/11:30~14:30、17:30~21:30(L.O.)、日休●スタッフ数/5人●客単価/1200円~3000円、夜7000円~1万円(ドリンク込み)●月商/約500万円●原価率/35%●設計・施工/タイセイプランニング


※この記事の情報は、2006年11月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。