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知っておきたい店情報

「そばマクロビオティック」で遠方の固定客を掴む店

咲家 つる丸(そば店、京都・丹波)

2007年1月19日

文=佐藤 千秋
写真=上原 勇

看板メニューである「そばマクロビオティック」(830円)の11月の組み合わせは、「もりそば」「しっとり そば豆腐の野菜あんかけ」「ゴボウと人参のきんぴら」「蕎麦めし」「ぬか漬け」。野菜の95%は地場の安価なものを仕入れ、そばは実を買って挽き、機械で製麺するなどして原価を抑える努力もしている

京都市街と日本海を結ぶ国道9号線沿い。京都・丹波の山間部にあるそば店の「咲家 つる丸」は、その立地特性から、決して多くない近隣住民とその国道を行き来する人々が主要ターゲット。そのはずだったが、1年程前からオーナーの沖哲司氏が、夫人・寿美子さんのアドバイスを基に、「マクロビオティック」の考え方をメニューに導入。会員組織を作り、京都市街や大阪、亀岡、福知山など、遠方のお客の取り込みに成功し、徐々にお客の数を増やしている。会員は、愛知、東京、神奈川まで広がっている。

「狭い街だが競合店も多く、老舗にはかなわないので、創作系のそば・うどん店としてスタートさせたが今ひとつ。そんなとき、スポーツインストラクターをしている妻から米国のセレブに人気の久司道夫さんの“クシ・マクロビオティック”の話を聞き、店に取り入れることにした」(沖氏)。

人の歯の臼歯と前歯の比率に応じて、奥歯で噛む野菜や穀類の量を増やし、肉や魚は控えめにするという考え方で、そばに野菜主体の料理を添えるセットメニューに置き換えていった。すると近隣からのお客も“ネクタイ族”の割合が高まってきた。

テーブルには、アンケート用紙を置き、記入してもらったお客には、遠方に住んでいても3~4日以内にクーポン入りのサンキューレターを送付する。さらに間を置かず、そばスプラウト用のそばの実を入れたプレゼントレターも送る。こうすることで、送ったお客の3割は再来店してくれるようになるそうだ。そうしたお客は500人を超えている。その後も定期的に「むかごの取り方」など丹波にちなんだ話を載せたニューズレターを送り続けるという。


(左)人気メニューの「かきあげ定食」(温かいかけ付き680円、冷たいもり付き730円)は、そばかうどんを選べ、「かきあげ」「蕎麦めし」「漬物」の組み合わせ
(中)平日の来店客数は50~60人。休日なら最大150人が訪れる
(右)沖氏と寿美子夫人

「そばよりうどん」と言われる関西圏の過疎地の店だが、遠方の固定客を掴むことで、繁盛店のたまごになった。


店舗DATA

京都府船井郡京丹波町橋爪上中島47−1
TEL:090−3894−0260
2003年7月開業●店舗面積/25坪(82.5m2)●30席●営業時間/11:00~15:00、土日祝11:00~21:00、水曜休●スタッフ数/2~3人●客単価/800円前後●月商/120~150万円●原価率/22%●人件費率/32%●経営/ナム・コンセプト●施工/稲葉大工(TEL:0771−82−3467)


※この記事の情報は、2006年11月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。