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知っておきたい店情報

デザート専任スタッフがいる会席料理店

銀座 小十(日本料理、東京・銀座)

2007年2月16日

文=やぎぬま ともこ
写真=高瀬 信夫

1万8900円コースより。八寸仕立てのデザートは、女性客には盛り付けに一工夫する。酒好きの男性客には1品で提供する場合もある

「銀座日航ホテル」の後ろにひっそりと佇む「銀座 小十」は、常連客の口コミで予約が埋まる人気店だ。中には1年先まで毎週、月曜日に予約を入れているお客もいる。

夜が早い銀座にあって営業時間は17時半から翌2時まで。会席コースの銀座相場は1人3万~4万円といったところだが、同店では自腹で楽しめる店をと1万3650円と1万8900円のコースを基本にしている。

店主の奥田透氏は、徳島の有名店「青柳」出身。「自分の目の届く範囲で素材の持ち味を活かした料理を提供したい」と、この店を2003年にオープンした。

「小十」の特徴は、献立のシメを飾るデザートの重要性を考え、専任スタッフを置いている点だ。季節の果物、あんみつなどの甘いもの、シャーベットなど、味や形、喉ごしなど、方向性が違ったものを八寸仕立てで提供する。料理同様にこちらもお客に状況や好みによって量や品数、盛り付けなども替えていく。常に日本料理らしいデザートをと、ある日の献立は、「みかんのコンポートジュレ」に、お茶の香りを活かした「やぶきた茶のあんみつ」、果肉と皮が入った香り高い「柚子シャーベット」といった具合だ。


料理は「帆立貝のしんじょう椀」(左)と、焼き物2種類(右)。21時以降は1万円コースと、「鮑の炭火焼」、「桜海老のさつま揚げ」、「青海苔茶漬け」などの単品メニューも用意。食材は、修業先であった徳島や奥田氏の地元である静岡から独自ルートで取り寄せているものも多い

この店がお客に支持されるもう一つの大きな理由は、料理の内容をただ月単位のお決まりにするのではなく、お客の状況に合わせて柔軟にメニュー作りをしている点にある。

初めてか常連か、酒好きか、性別や年齢など、色んな要素をふまえて、調理法や盛り付け、品数、量の調整などを行う。予算ありきのほぼオーダーメイドと言っていいだろう。むろん、特別な素材の注文がある場合には、別料金で受け付けている。


店名は古唐津焼復活に尽力した陶芸作家・西岡小十氏の名前にちなんだという。奥田氏は常に料理人、経営者、支配人の3つの視点のバランスを大事にしているという

奥田氏は「店づくりは、いつ来ていただいても同じ満足を得ていただけるように努力すること。そして持続することが大事だ」と言う。


店舗DATA

東京都中央区銀座8-5-25 第2三有ビル1F
TEL:03-6215-9544
2003年7月17日開業●店舗面積/20坪(66m2)●席数/カウンター6席、個室(4人収容)×2室●営業時間/17:30~翌2:00(閉店)、土曜~21:30(L.O.)、日祝休●スタッフ数/7人●客単価/2万円(ドリンク別)●日商/40万円●原価率/40~50%●設計/杉山デザイン室(TEL:0543-65-6101)


※この記事の情報は、2006年12月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。