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知っておきたい店情報

ちゃぶ台で食べるラーメン店

麺酒処 らん亭(ラーメン居酒屋、東京・向島)

2007年3月2日

文=やぎぬま ともこ
写真=高瀬 信夫

ありそうでなかったシンプルな「塩ラーメン」(600円)

料亭街の東京・向島にある木造の一軒家を、靴を脱いで上がるお座敷ラーメン店に転用。熱心なラーメンファンから、ひそかに注目を集めている。その名は、「麺酒処 らん亭」。高級料亭「きよし」の3代目・小林隆司氏と、行列ラーメン店「きび」の渡邊保之氏とのコラボレーションで生まれた。

向島で不動産業も経営する小林氏は、空き物件となっていた民家を飲食店として再生できないかと考え、飲み仲間である渡邊氏に相談。根っからのラーメン好きの2人が出した結論は、ラーメン店が少ない向島で、おでんやマグロブツといった地味な肴で気軽にじっくり飲めて、シメにうまい塩ラーメンが食べられるという店だった。


「マグロぶつ」(700円)は、青森・大間のマグロが登場することもある。ラーメンスープをベースにした塩味の「おでん一人前」(600円)。「冷酒(八海山)」(650円)

店内は1階が6畳の和室とカウンター、2階が4畳半と8畳の和室という構成。イスとテーブルではなく、昔ながらのちゃぶ台のあるお座敷で食べられるのが売り。

ある常連客は、「ラーメン店とは思えぬ昭和の香りが漂うレトロな雰囲気と、玄関を入ったときの実家に帰ったような安堵感が魅力」と話す。深夜になるとカウンターは酒を楽しむお客でいっぱいとなり、あたかもバーと化す。

ラーメンは鶏ガラに豚ガラ、野菜を合わせたシンプルなだしが自慢。塩ラーメン、醤油ラーメンとも「きび」とはひと味違った味わいだ。やや太目のちぢれた麺は、特注でオーダーしている。


(左)昔なつかしいちゃぶ台のある1階のお座敷
(右)店の目印はのれんだけ。派手な看板は一切ない

調理スタッフはラーメンとは別に1人採用。突き出しに下町ならではの「みそ豆」、酒の肴に「おでん」、「マグロぶつ」、「しらすおろし」、缶詰各種などを揃える。「マグロぶつ」は、使う部位は違うが基本は「きよし」の仕入れと一緒に行う。それを700円ポッキリで提供する。小林氏は、「まわりが料亭街だからこそ、これくらいの力の抜け具合が生きてくる」という。


店舗DATA

東京都墨田区向島5-20-4
TEL:03-3624-3988
2006年8月開業●店舗面積/22坪(72.6m2)●席数/30席●営業時間/18:00~翌1:30、日祝休●スタッフ数/3人●客単価/1000~5000円●目標月商/300万円●設計/カメハウス(TEL:03-5315-5900)●施工/今井正和堂(TEL:03-3829-9028)


※この記事の情報は、2007年1月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。