「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

知っておきたい店情報

お客と作る“全国うまいもん市”居酒屋

NanGiano(ナンジャーノ)大衆酒場、大阪・曽根崎新地

2007年5月11日

文=羽野 羊子
写真=稲山 智紀

お客の提案から生まれたヒットメニュー「ぶた丼・わかさ仕立て」(1500円)

高級感漂う大人の街、大阪・新地で、舌の肥えたビジネスマンやOLに人気を博している「大衆酒場」がある。「この街だからこそ、あえてダサく、力の抜けた居酒屋をと考えた」と亀井亮佑店長が語るように、外観も内装もいたってラフ。

コンクリートむきだしの壁にかかる黒板のお品書きには、「今治のジャコ天ステーキ」「白金豚のうずまきソーセージ」など、全国各地から仕入れた特選珍味がずらりと並び、まるで“全国うまいもん市”。かと思えば、亀井店長の伯母が作るカレーライスや惣菜など、ほっこり和める「お袋の味」もある。


(左)愛媛の名店、大岡蒲鉾店のジャコをすり身で仕入れ、鉄板でジューシーに焼き上げた「今治のジャコ天ステーキ」(600円)
(右)3年間寝かせた深い味わいが魅力の「奈良漬(黒)3歳」(500円)

まさに「なんでもあり」だが、すべてのメニューに共通しているのは、素材の美味しさを直球で味わえるシンプルな味付けで、酒との相性が抜群だということ。「珍しい食材にこだわっているが、あくまで基本は居酒屋」という店長の信念がしっかり貫かれているから、店のベースがブレないのだ。

スタッフの親しみやすい接客も人気の理由。会話からそのお客の好みを察知し、「こんなんどうっスか?」とメニューにはない“裏メニュー”を提案。ササッと作ってしまう。お客は感激し、リピーターになる。


(左)ラフに仕上げたコンクリート壁に、ダークブラウンのウッドがアクセントの店内
(右)店名「NanGiano」の由来は、大阪弁の「難儀やの」。「なんじゃこりゃ?」という言葉もかけてあるとか

「ウチの地元にこんな珍しい食材があるんだけど、どう?」と、お客の方から提案してくることもある。これが新メニューになることも多い。そうしてできたメニューの一つが「ぶた丼・わかさ仕立て」。北海道出身の「わかささん」の提案で、帯広の豚丼をNanGiano流にアレンジ。鹿児島の黒豚に、帯広の秘伝のタレをからめた人気メニューで、これを目当てに来るお客も多いとか。

デザート類が一切ないのも特徴。「お酒好きを対象にしているから、デザートはなくても問題ない」と亀井店長。あくまで「居酒屋」にこだわる、一本芯の通った店なのだ。


店舗DATA

大阪市北区曽根崎新地2-5-29
TEL:06-6454-3939
2005年6月開業●店舗面積/7.5坪(24.8m2)●席数/20席●営業時間/11:30~15:00、17:00~翌3:00、日祝休●スタッフ数/3人●客単価/3000円●1日の来店客数/約60人●原価率/22%●人件費率/30%●経営/モラオ●施工/オッヅ


※この記事の情報は、2007年3月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。