
神戸牛の特大ハンバーグ
洋食の店 もなみ(洋食店、大阪・谷町)
文=羽野 羊子
写真=福山 英明

看板メニューの「ハンバーグステーキ」(1000円)。神戸時代の住所が入ったテーブルマットを今も使っているのは、「神戸の震災で一瞬にして店が全壊し、大切な常連客を失ってしまった辛い思いを忘れず、お客様をとことん大事にしたい」という気持ちの表れだという
昼も夜も行列ができることで有名な洋食店が、大阪・谷町にある。
お客の目当ては、神戸牛のみで作った特大ハンバーグ。挽き肉にロースやヒレの切れ端を練り込んであり、上質な肉ならではの旨みと肉汁が口の中でほとばしる。
「震災を機に神戸から大阪に移転したのが12年前。知人の紹介でここに店を構えたんですが、最初は、なんて静かな街なんだ、と思いましたね」(笑)。重里三千緒店長がこう述懐するように、この辺りは中小企業の事務所が多く、繁華街のにぎわいとはほど遠い。だが「うちの店だけを目当てにお客さんがわざわざ電車で来てくれはる。それが励みになりました」と重里店長。

(左)濃厚なハヤシソースの上に、神戸牛のステーキを載せた「ハヤシライス」(1400円)
(右)「神戸牛のタタキ」(2400円)。とろりとした舌触りが絶品だ
とはいえ、移転してすぐ人気店になったわけではない。当初は「神戸人と大阪人の違い」に戸惑うことも多かった。神戸の時と同じようにやっているのに、「料理が出てくるのが遅い」と叱られたこともしばしば。
そこで重里店長は、注文を聞くとまず、山盛りのサラダを無料でサービスすることに。それを食べながら、注文した料理が出てくるのを待ってもらおうというわけだ。

(左)芸能人のファンも多く、2階席の壁いっぱいにサインが
(右)重里店長は根っからの神戸人。「いつかまた神戸に小さな支店を出したい」という
値段も、神戸時代は1200円だったものを1000円に下げ、それでいてハンバーグの肉の量を増やした。これが、「せっかちで、コストパフォーマンスを重視する」大阪人の心をつかみ、行列店へと成長。
マスコミにも頻繁に取り上げられる有名店になった今もなお、「儲けは度外視」のサービス精神は健在だ。

店舗DATA
大阪市中央区谷町6-3-14
TEL:06-6763-1129
1990年3月開業●店舗面積/18坪(59.4m2)●席数/31席●営業時間/11:30~13:45、17:30~22:00、月休●客単価/昼900円、夜1600円●1日の来店客/約170人●原価率/50%●人件費率/30%●スタッフ数/6人●経営/個人●施工/昭栄工業
※この記事の情報は、2007年4月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。
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