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知っておきたい店情報

自作メニューブックが好評のイタリア料理店

トラットリア ベリタ(イタリア料理店、兵庫・西宮)

2007年6月22日

文=羽野 羊子
写真=福山 英明

料理写真も野々村店長が自ら撮影。その腕前は、野々村店長が自作したWEBサイトで見ることができる

メニューブックを変えただけで、繁盛店になった──と書くと、いささか誇張が過ぎるかもしれない。だが少なくともメニューブックが「きっかけ」となって繁盛店に進化したのが、西宮市の住宅地にある「トラットリア ベリタ」だ。

メニューブックは撮影・デザイン・製作まで、すべて店長兼シェフの野々村誠さんの自作。お客として来店したプロのデザイナーから「シェフを辞めたら、ウチの会社でデザイナーとして働いてほしい」とスカウトされるほどの完成度の高さだ。

野々村店長はデザインを専門的に学んだ経験はないが、イラストレーターやフォトショップといったプロ仕様のDTPソフトを購入し、解説書を基に一から独学したという。


メニューブックの最初には、店長のメッセージを掲載

そうした「見栄えの良さ」以上に、「ベリタ」のメニューブックには野々村店長の「思い」がぎっしり詰まっている。開くとまず目に入るのは、「親愛なるお客様へ」として、店長の思いを綴つづったミニエッセイだ。

そして圧巻はメニュー紹介。80種以上ある料理のすべてに、その料理を推薦するお客の写真とコメントが掲載されている。

「最初は僕が料理の紹介文を書いていたんです。でもお客様の生の声を載せるのが、一番説得力があると思って」と野々村店長。8年前のオープン以来、50回以上作り替えてきたが、「お客を登場させたのが一番のポイントだった」と語る。詳細に綴られたお客のコメントを読んで「次に来たらこれを頼もう」と思うお客がどんどん増えていったとか。今では1日に60人以上のお客が訪れ、30席余りの客席は、ほぼ2回転する。


(左)明るい店内は11時の開店と同時に女性客でにぎわう
(右)店舗2階の事務所でメニューブックの編集をする野々村店長

「今はお客様が店を選ぶ時代。といっても店がお客様に媚びる必要はないと思う。料理や店に対する“自分の思い”をしっかり伝えることが大切。メニューブックはその格好の手段です」と野々村店長は語る。


店舗DATA

兵庫県西宮市段上町1-1-26
TEL:0798-57-0228
2000年4月開業●店舗面積/17坪(56.1m2)●席数/34席●営業時間/11:00~22:30、無休●客単価/1500円●1日の来店客数/約60人●原価率/28%●人件費/17%●スタッフ数/7人●経営/個人


※この記事の情報は、2007年5月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。