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知っておきたい店情報

新種のトマト尽くしのコース料理

カ・アンジェリ(イタリア料理店、東京・表参道)

2007年7月6日

文=齋藤 訓之
写真=高瀬 信夫

「シシリアンルージュのフルコース」(5040円)。フリットやマリネ、ソテーをはじめ、デザート(「トマトのジェラート トマトジャム添え」、写真中央)にも使用

グルメに人気のイタリア料理店「カ・アンジェリ」では、全品トマトが主役という「シシリアンルージュのフルコース」(5040円)が人気を博している。その名の通り、「シシリアンルージュ」という調理用トマトだけを使ったコースだ。

同店の佐竹弘シェフが「シシリアンルージュ」に出合ったのは約2年前。「生でも美味しいが、調理しやすく、加熱すると旨みが引き立つのが特徴。熟度や調理法によって様々な味に仕上げられるのが大きな魅力。一度でほれ込んだ」。

それから1年間、試行錯誤を重ね、コースの全品をこのトマトを使った料理だけで揃えた品を開発。06年4月にフルコースとして打ち出した。


(左)調理用トマト「シシリアンルージュ」。皮がむけやすく、皮と実の間の旨みを含む部分をきれいに残すことができる
(右)加熱で旨みが増す

ともすれば“キワモノ”と見られかねないが、お客からは「全部同じトマトで作った料理と気付かずに、自然に食べてしまった」と評判は上々。1日15食以上がコンスタントに出ている。

“連鎖反応”もある。「このコースを食べたお客様が、別のお客様を連れてくる。すると、そのお客様がまた違う人と来店してくれる。長年店をやっているが、こういう商品はなかった」。

「シシリアンルージュ」は、イタリアの育種家マウロ氏が育成した新種トマト。最近は、テレビの料理番組や女性誌などでも紹介され、料理人や料理好きの一般消費者の間で人気が高まっている。まだ生産者は少ないが、佐竹シェフは栃木県の生産者から1週間に48kgを定期的に送ってもらうルートを確保。使用するのは、サイズが揃わない、熟し過ぎて店頭に置きづらい、ヘタが取れたなど、スーパーなどでの小売りには向かない“B級品”という。


(左)ピュレを作って冷蔵庫で冷やすとムースのように
(右)店舗はバリアフリーになっている

これを使うメリットはコスト低減ももちろんあるが、「大きさや熟し具合に差があるから、多様な商品が開発できた」。料理人としての創作意欲を刺激されたと話す。


店舗DATA

東京都港区南青山3-10-32 青山森田ビル1F
TEL:03-3423-1224
1999年6月開業●店舗面積/60坪(約198m2)●席数/50席●営業時間/11:30~14:00(L.O.)、18:00~22:00(L.O.)、日休●客単価/昼2500円、夜8000円●1日の来客数/60人●月商/1000万円●原価率/40%●人件費率/38%●スタッフ数/8人●経営/ホッタ


※この記事の情報は、2007年5月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。