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知っておきたい店情報

新鮮魚介の「炉端焼」と沖縄テイストをミックス

和琉炉端焼 空 猪名寺本店(居酒屋、兵庫県尼崎市)

2007年12月5日

文=羽野 羊子
写真=福山 英明

元々は船を漕ぐ道具である「櫓」に料理を載せて提供するスタイルは、北海道が発祥とか。「僕が子どものころは、関西にもこういう店があったんですが、今は見なくなってしまいましたねえ」と今井社長。写真は曽根元店長

関西では「アマ」の愛称で呼ばれる尼崎は、大阪のすぐ隣の工業都市でありながら、下町風情も色濃く残る面白い街だ。沖縄出身者が多く住んでいるのも特徴。だが、この街で4店舗の沖縄風居酒屋「和琉酒菜」グループを経営するサンヨー・レックスの今井豊社長は、「そういうことは、店を始めるまで全く知らなかった」と言う。

沖縄で人気の居酒屋「回」グループとのパートナーシップにより、本土1号店を猪名寺にオープンしてから、初めて「沖縄出身者が多い」ことに気づき、それならと姉妹店「空」を向かいにオープンした。

店舗を広くしたほか、「同じ系統の店だとお客の取り合いになる」ため、あえて沖縄色は控えめにして、鮮魚をメインにした「焼きもの」料理を提供。さらに、カウンターで焼いた魚を大きな櫓に載せて差し出す、ユニークな「炉端焼き」スタイルを取り入れたのだ。


(左)「琉球ばらとろラフテー」(500円)などの沖縄料理も。「島らっきょうの塩漬け」(500円)は沖縄産。「自家製ジーマミー豆腐」(250円)は沖縄で作り方を学び、店で手作りしている
(右)沖縄の飲食店ではお馴染みの「外席」を設置

普通に皿を手渡しすれば済むところを、わざわざ櫓に載せて出すのは、「そうすることでお客との距離がぐっと縮まるから。頼んだ料理が櫓に載って出てくると、誰でも『おっ』と思って、思わずスタッフに声をかけたくなるでしょ」と今井社長。

客層は、沖縄出身者が特に多いというわけではない。この辺りは大手電機メーカーなど大企業が多い。にもかかわらず、会社帰りに寄れる居酒屋が意外と少なかった。仕事帰りの男性客には各地から仕入れた活きのいい魚介類が好評。「本当に美味しい魚を食べられる店が求められていたのだと思う」と、曽根元一行店長は分析する。


(左)座敷の壁には文字や絵が
(右)新鮮な刺身を日替わりで提供する「五種盛」(1300円)。この日はツブ貝、カンパチ、アオリイカ、ヒラメ、サンマの組み合せ

もちろん沖縄料理もある。「出すからには本格的なものを」という今井社長は、毎月スタッフを連れて沖縄に研修に行き、「本場の味」を学ばせる。逆に、沖縄の「回」グループのスタッフを尼崎に呼ぶなどして、互いに交流を深めているという。


店舗DATA

兵庫県尼崎市猪名寺2-11-11
TEL:06-6498-2915
2007年3月開業●店舗面積/21坪(69.3m2)●席数/38席●営業時間/18:00~翌1:00、日祝17:00~24:00、火曜休●客単価/3300円●1日の来店客数/40人●月商/350万~400万円●原価率/29%(目標28%)●人件費/29%(目標28%)●スタッフ数/10人●経営/サンヨー・レックス●施工/ビオトープ


※この記事の情報は、2007年10月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。