
見込みの4倍のお客!「卵かけご飯」で町おこし
「食堂かめっち。」(卵料理専門店、岡山県久米郡美咲町)
文=羽野 羊子
写真=森 誠

メニューは卵料理のみ4種類。98%のお客が「黄福(こうふく)定食」(300円/みそ汁と漬物が付く)と名付けられた卵かけご飯のセットを注文する。器も地元産(桜湖焼)だ。卵とご飯はお替わり自由
「卵で町おこしを!」と意気込んでいる町がある。岡山県の美咲町。その拠点となる店が「食堂かめっち。」だ。
仕掛け人の一人、同町産業観光課の川島聖史さんが町の広報誌を担当していたとき、同町出身で明治のジャーナリスト、岸田吟香(日本最初の従軍記者として活躍)が卵かけご飯を日本に広めた説があることに着目。町内に、西日本最大級の養鶏場、美咲ファームがあったこともあり、新鮮な卵を使った「卵かけご飯」の店を開こうと考えた。
町の施設である運動公園内にあった空き店舗を利用して、開業費100万円で今年1月にオープン。それから1カ月で5000人ものお客がつめかけ、「当初、見込んだ4倍の入り」と川島さんも驚くほど。昼には行列ができる人気店になった。

(左)卵は1パック300円で販売しており、卵だけ買いに来るお客もいる
(右)料理長が考案した、甘辛いタレが味の決め手
客層は、昔、卵かけご飯がごちそうだった中高年が中心。「昔懐かしい卵かけご飯は郷愁を誘う存在。田舎であっても、そこがウケたのでは」と分析する。
シンプルな料理だけに素材が大切と、毎日、美咲ファームから赤玉の「森のたまご」を入荷。ご飯は、町内の棚田で栽培した「棚田米」を釜で炊き、醤油は地元の「天狗醤油」を、漬物も地元品を使うなど、できる限り「美咲町産」にこだわった。

(左)空き店舗を利用した店は、開業費100万円
(右)イスやテーブルは、以前の店舗で使っていたものをそのまま使用している
また町内のゴルフ場のレストランで料理長を務める荒木竹蔵さんが、「天狗醤油」をベースにした「シソ、のり、ネギ」の3種のタレを開発。「このタレこそ当店の特徴」と川島さん。
この店を起爆剤に、美咲町全体を「卵の町」としてアピールしたいと考える川島さんは、2号店、3号店も計画中。すでに町内の飲食店から「うちも卵かけご飯をやりたい」という声がいくつも上がっている。ノボリや観光マップへの掲載など、行政としてサポートしていく方針で、「将来的には、各店が独自のタレを作るなど個性を出してもらう予定」と夢を語る。

店舗DATA
岡山県久米郡美咲町原田2155 中央運動公園内
TEL:0868-66-1118(美咲町役場産業観光課)
2008年1月22日開業●店舗面積/11坪(36.3m2)●席数/18席 ●営業時間/8:00~19:00、無休●客単価/400円●1日の来店客数/平日150人、週末250人●スタッフ数/2~6人●経営/美咲物産(美咲町第三セクター)
※この記事の情報は、2008年3月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。
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