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知っておきたい店情報

「家族向けケーキ」が大人気 地元密着で月商2000万円

「HANS(ハンス)洋菓子店 熊取店」(洋菓子店、大阪府熊取町)

2008年7月7日

文=羽野 羊子
写真=辻野 済

「苺ショート」(300円)などシンプルなケーキが多く、それだけに素材は厳選。卵は旨みが強い京都・舞鶴産の「旬の美食」、小麦粉は「特宝笠(とくたからがさ)」、生クリームはカルピス製を使用

大阪・泉南地域の熊取町にある「HANS洋菓子店」。大阪・本町に1号店を構える人気洋菓子店の「2号店」として8年前にオープンしたが、連日400人が訪れるなど、1号店を上回る繁盛ぶりだ。

人気の理由は、郊外立地に合わせたケーキを揃えたこと。

1号店は都会のオフィス街にあるため、どのケーキも洗練されており、小ぶりで味は濃厚。お酒も利いた「大人のケーキ」だ。対して、ここ熊取店のケーキはどれも大きめで、お酒を使わず、フルーツをたっぷり載せた「家族向きのケーキ」が主流。1号店のケーキとは大違いだ。

「当初は、熊取店でも1号店と同じケーキを販売していたんです」とオーナーシェフの岡本健作氏。だが思うように売れず、「スポンジが硬い」という苦情もあった。風味を良くするため、スポンジにバターを多めに配合していたためだった。

(左)酒類はほとんど使わない。使っているケーキは、プレートに、グラスの数で「お酒度合い」を表示する
(右)イチゴは、和歌山の契約農園から新鮮な「とよのか」を仕入れる

調べてみると、この地域には全国展開の洋菓子チェーン店しかなく、それらの店の「フワフワのスポンジ」が親しまれていたこと。また高齢者が多いため、濃厚な味より淡泊な味が好まれることが分かった。

そこで岡本氏は、何通りものレシピでスポンジを焼き、地元に住むスタッフに試食してもらった。そうして、バターの代わりにハチミツを加えた独自のスポンジを開発。風味の良さはそのままに、フワフワの食感を実現させた。生地以外でも、サイズや盛り付けを変えたケーキを並べて、売れる商品だけを残していった。

(左)ケーキ類のほか、チョコレートや焼き菓子も販売。すべて店内の厨房で手作りする
(中)邸宅のような店構え。16台分の駐車場はすぐ埋まってしまう
(右)「郊外のケーキ店はカフェを併設すると成功する」のセオリーに従い、カフェを併設。その通りの結果に

中にはオープン時から販売している「なめらかプリン」など、不評でもあえて変えなかった商品もある。「焼けていない」と苦情が来たこともあったが、「これは将来、必ず受け入れられる」と変えなかった結果、今では人気商品に。

地域に合わせた柔軟な商品作りが、繁盛店を生み出した。

店舗DATA

大阪府泉南郡熊取町大久保中1-9-7
TEL:072-451-0056
2000年12月開業●店舗面積/80坪(264m2/売り場、カフェ、厨房、その他・各20坪)●席数/39席●営業時間/テイクアウト9:30~20:00、カフェ10:00~19:30(L.O.19:00)、無休●客単価/約1750円●1日の来店客数/400人●月商/約2000万円●原価率/32~33%●スタッフ数/30人●経営/ハンス

※この記事の情報は、2008年6月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。