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知っておきたい店情報

バーの酒がお菓子に変身 男性に人気の“カクテルケーキ”

「ゴースト」(洋菓子店、京都市)

2008年7月23日

文・写真=宇山 恵子

取り寄せもできるパウンドケーキ。この日は(左から)「シャンパン」「アマレット」「ズブロッカ」「ペルノ」を使ったもの

店に入ってまず驚くのは、洋菓子店なのにケーキが並ぶショーケースがなく、バーのようにリキュールやウイスキーの酒瓶がずらりと並ぶこと。来店客が「ケーキはどこ?」と不思議そうに聞く姿も珍しくない。店員がカウンター下の冷蔵庫から、色鮮やかな8種類のケーキ(サンプル)が並んだトレーを持って来ると、思わず歓声を上げるお客も多い。

これらのケーキの主役は酒。「酒が持つ香りと風味を生かし、魅力を最大限に引き出した」とオーナーの西田稔氏。西田氏は、京都で有名なバー「K6」「クーゲル」などを経営し、自らシェーカーを振るバーテンダーでもある。

(左)一見、洋菓子店とは思えない店内
(右)立席のカウンターがあり、イートインも可能。コーヒー(200円)やアルコール(300円~)も注文できる

ケーキは見た目、チョコレートやクリームで艶(つや)やかにコーティングされたシンプルなものだが、中にフルーツのジュレやムースが隠れており、その味わいは、何種類もの酒が絡み合ったカクテルを飲んでいるよう。特にハーブを使ったリキュールはケーキのアクセントとなり、出合ったことのない新しい魅力を生み出している。

「バーでカクテルを飲むように、粋にスイーツを楽しんでほしい。そうして、新しい酒の魅力を楽しんでもらいたい」というのが狙い。ケーキのアイデアは、西田氏が作ったカクテルのレシピがヒントになっているものが多い。「僕が作ったカクテルをパティシエが試飲し、その味をケーキに変身させる」(西田氏)。ちなみに、これが店名「ゴースト」の由来だ。

(左)生ケーキを注文すると、まずサンプルを出して見せてくれる。生ケーキは毎日8種類用意する。右奥の「シャルトリューズ・ヴェルト」(540円)は人気商品。リキュールのシャルトリューズを使ったもので、バジル風味のクリームが印象的
(右)町屋を改築した真っ白な建物は人目を引く。看板もなく、営業時間が書かれたプレートがかかっているだけ

30代男性のファンが多く、夜になるとカウンターでは酒を飲みながらケーキを食べる男性の姿も見られる。「大人の男がカッコよく食べられるように、ケーキをフィルムで包んだりはしない」とは、男性ならではの心遣いだ。

「10人の常連客が10回通ってくれる店に育てたい」と西田氏は話す。

店舗DATA

京都市中京区寺町通竹屋町下ル西側久遠院前町667-1
TEL:075-222-8266
2007年6月開業●店舗面積/10坪(33m2)●席数/立席カウンター7~8人分●営業時間/10:00~19:00、火休●客単価/1500円●1日の来店客数/50~60人●スタッフ数/社員1人、アルバイト3人●経営/個人

※この記事の情報は、2008年6月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。