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知っておきたい店情報

こし餡からトマト餡まで「モダン団子」1日2000本

「Plus An(プラス アン)」(和菓子店、大阪・梅田)

2008年10月2日

文=羽野 羊子
写真=水野 浩志

「少し酸味がある方が、餡は美味しい」との経験から、「はちみつレモン餡」「いちじく餡」など酸味を生かした団子が揃う(値段は136円、157円)

大阪・梅田の地下街「ホワイティ梅田」に、夕方になると行列ができる一角がある。今年2月にオープンした和菓子店「Plus An」だ。

「こし餡」「粒餡」などの定番の他、「マンゴー餡」「パイナップル餡」など斬新な団子が常時20種揃う。毎朝、阪南市の工場から作りたてを運んでいる。

一番人気は、トマトをトッピングした「トマト餡」。こうした「変わり種」は、話のタネに一度食べてそれっきり、ということが多いが、この店の変わり種にはリピーターが多い。酸味と甘みのバランスが良く、なじみのある味わいに仕上げたことなどが理由だ。

(左)常時20種の団子の他に、旬の素材を使った季節限定のものも用意。「選ぶ楽しさ」を提案する
(右)抹茶、ミルク、コーヒーの3つの味がある新感覚ぜんざい「アンパルフェ」(各320円)

8坪の小さな店だが、実はこの小ささが繁盛店を生むきっかけになった。経営するのは創業25年の和菓子店「青木松風庵」。南大阪と和歌山に26店を展開しており、多くが店舗面積100坪の大型店。そうでないと、100種類の商品を置けないからだ。梅田への出店を打診された時は、「8坪だと商品の一部しか置けず、店の魅力がぼやけてしまう」とためらった。「それなら、何か新しいことを始めたいと思ったんです」と販売管理室の青木智子さんは明かす。

そうして、彼女を含む「甘いもの好き」の女性社員が、新ブランド開発チームを結成。「うちのこだわりは『100%自家製餡』。この餡の美味しさを、特に餡が苦手な若い女性に伝えたい」と思い立った。「シンプルな素材の方が、餡の美味しさが引き立つ」ことから、団子とどら焼きに「こだわり餡」を組み合わせることを考案。素材+餡で「プラスアン」と名付けた。

(左)和菓子業界全体の1割程度しか自家製餡を作っていない中、「100%自家製餡」にこだわっている
(右)東京や名古屋から出店の誘いも多いが、「近隣に工場がないと作り立てを販売できない」と断っている

「女性は小分けができて、手が汚れないお菓子を好む」という女性社員の意見を生かし、団子は従来より小さめにした。こうした自由な発想が、餡を敬遠していた若い女性に受け入れられ、団子だけで1日の販売数は1000~2000本に上る。

店舗DATA

大阪市北区角田町梅田地下街2-3
TEL:06-6312-8250
2008年2月1日開業●店舗面積/8坪(26.4m2)●営業時間/11:00~21:00、休みは「ホワイティ梅田」の定休日に準ずる●客単価/1000円●1日の来店客数/300人●スタッフ数/16人●経営/青木松風庵

※この記事の情報は、2008年8月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。