
スッポン価格破壊、生血もついたコースが3990円
すっぽん 川しま(日本料理店、兵庫県西宮市)
文・写真=宇山 恵子

3990円のコース。最初に出る生き血は、一匹のスッポンからたった20mlしかとれない貴重なもの。日本酒か焼酎で割ってある。刺身は白子やレバーなどの内臓も使う。自家製の豆腐もつく。最後の雑炊は「すべての作業は雑炊を美味しく食べるためにある」といっても過言ではないほど
「スッポンは鮮度が命。ご注文をいただいてから店内でさばいた新鮮なスッポンをお出しするのが基本です」という店主の川嶋久滋さん。それも、生き血に始まり、刺身、鍋、雑炊、自家製豆腐までついたコースが1人前3990円。「1人でも多くの人にスッポンの美味しさを知ってもらいたい一心でこの値段を守っています」(川嶋さん)。
しかもスッポンは、国内有数の急流、球磨川が流れる熊本県人吉市で、天然に近い状態でじっくり3年もかけて、生エサで育てた極上のものを中心に使っているというこだわりようだ。
もともとウナギ店で修業を積んだが、妻の実家がスッポン料理店を営んでいたことがきっかけでスッポンの美味しさに魅せられ、店を開いた。

美味しいスッポンは、甲羅が青緑色で、「エンペラ」という甲羅の裏のふちが大きくて分厚いこと。脚や腹の脂身が黄色みを帯びているものもいい
通常、鍋料理店では、スタッフが“鍋奉行”のようにぴったりつくことも多いが、夫婦2人で店を切り盛りする同店では、鍋の用意だけして、あとはお客に任せている。人件費を抑えるためだ。また、義父の人脈を生かしてスッポンの養殖会社と懇意にすることで原価も極力下げ、原価率は35%程度でとどまっている。こうした努力で低価格を維持している。
スッポンのエンペラ部分は、美肌や老化防止に欠かせないコラーゲンが豊富。そのため、神戸に近いという場所柄もあって、美容に関心の高いマダムたちでにぎわう。また、夜はカップルやビジネスマンが元気を回復して帰るという。

(左)すっきりと落ち着いた個室
(右)「料理人が心を込めて調理し、お客さんに美味しいとほめていただければ、スッポンも本望でしょう」と川嶋さん。スッポン供養も欠かさないという
最近は、スッポンが免疫力を強化して貧血や骨粗しょう症などにもいいことから、医師から薦められて食べに来る人や、外食ができないお年寄りのために、鍋のセットを買いに来店するお客も多い。「そんな健気なお客さんの姿を見ているうちに、配達や地方配送もしようと思い立ち、出前や宅配も始めました」と川嶋さんは話す。

店舗DATA
兵庫県西宮市豊楽町1-26
TEL:0798-73-0404
2000年5月開業●店舗面積/20坪(66m2)●席数/28席●営業時間/11:00~14:30(L.O.)、17:00~20:30(L.O.)、水休(祝日は営業)●客単価/2800円●1日の来店客数/25人●スタッフ数/社員2人●経営/個人
※この記事の情報は、2008年9月現在のものです。変更されている可能性がありますのでご注意ください。
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