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知っておきたい店情報

「アピール力」と「きめ細かいサービス」でリピート率80%の焼き肉店

Beef Kitchen(焼き肉店、東京・中目黒)

2009年7月3日

文=大塚 千春
写真=小川 玲子

上:ロースは1人前950円(写真は2人前)。

「まずは、この生肉を食べてみてください」。東京・中目黒の焼き肉店「Beef Kitchen」では一番人気のロースを注文したお客には、必ずそう言って皿の隅にのせた10cm角ほどの生肉の試食を勧める。この生肉は、グループで1人前の注文をしても人数分をサービス。「こうすることで、肉の質をストレートにアピールでき、追加オーダーにもつながる」(同店を経営するSAMURAI代表取締役・大矢貴博氏)という。また、肉を美味しく味わってもらうため、部位ごとに焼き加減を説明し、最初の1枚を焼いて見せもする。

アルバイトを除くスタッフ8人は全員SAMURAIの創設メンバーだ。「牛肉のスペシャリストとなり、牛肉を使う様々な飲食店を展開したい」(大矢氏)と考え、同店開店に先立ちメンバーは全員米沢の畜産農家に“弟子入り”。牛の飼育から肉のさばき方までを半年間学んだ。この経験は現在、肉の扱いや利用方法、メニュー提供の際、お客に肉の質の高さをアピールする話術に結び付いている。

お客のリピート率約8割を誇る同店は、サービス力でも抜きん出る。例えば、アレルギー体質の子供を連れた家族が訪れたときのこと。お客は子供が食べられるものはないとあきらめていたが、スタッフは対象アレルギー食品を聞き出し、網に塗る油を替えたり、オーダーの品の一部から食べられない食材を取り除いたりして提供したという。そのお客は今では店の常連客だ。

(左)ご飯物、スープ類はすべてハーフサイズも可。手前から人気の「限定黒毛和牛ラーメン」(420円)、「牛トロ丼」(600円、いずれもハーフ)。奥は「極上柚子パンナコッタ」(480円)。
(中)客席で液体窒素を使ってアイスを作るパフォーマンスも好評。
(右)携帯に配信される営業レポート

同店のサービス力向上を助けているのが、終礼後に店長や店長代理がスタッフ全員の携帯に配信するその日の営業レポート。内容は、当日訪れたお客の名前や特徴、オーダー状況や、スタッフの活躍、失敗と改善策(当事者が考える)などだ。全員が細かい情報まで共有することが、きめ細かいサービスにつながっている。

店舗DATA

東京都目黒区上目黒2-44-8 ロ・カーサ上目黒B1F
TEL:03-5768-3601
2008年7月開業●店舗面積/40坪(132m2)●席数/最大74席●営業時間/11:30~14:00、17:00~24:00、無休●客単価/4500~5000円●1日の来客数/100人(夜)●月商/約1000万円●スタッフ数/10人●経営/SAMURAI