
期待を大きく超える安さとボリュームでサラリーマンの街を席巻する居酒屋グループ
魚金本店(居酒屋、東京・新橋)ほか
看板メニュー「豪快6点盛り」(1980円)と「青のり豆腐」(右奥、580円)、「下田地金目鯛の煮つけ」(左奥、1980円)。器は皆大ぶりだ
東京・新橋駅を中心とした半径約250mの範囲に、12軒もの店を構える居酒屋チェーンがある。魚金グループだ。これだけ狭いエリアに集中して出店すれば、お客を食い合い共倒れになりそうだが、平日夜でも早い時間からどの店もお客でいっぱいだ。
魚金がお客を引き付けるのは、何といっても、その安さとボリューム。左上写真の刺身「6点盛り」は、この内容で1980円。それも、6点盛りと言いながら、実際は12点盛り。お客の期待値以上の内容提供を意識した結果だ。この価格を実現できるのは、経営母体である金原商会の金原伸吉社長が「自ら毎日築地で仕入れを行っているため」(同社)。それでも原価率は、グループの核をなす海鮮主体の居酒屋業態で平均4割に上るという。
魚金の居酒屋業態の人気メニュー「魚金名物イクラ丼」(奥)と「まかない丼」の大(各980円)
「お客様が何を喜ぶかを考える。それが商売で一番大切なこと。原価率にしばられた店しか周りになかったから、逆にうちが入り込む余地があった」と同社の浅倉隆常務は言い切る。原価をかけた分は、お客の数で補えばいいというわけだ。
一方、新橋に出店を続けるのは、「サラリーマンの街で客層が一定、お客様の顔が見えやすく出店リスクが低い」(浅倉常務)から。また、約50坪の「魚金本店」と「二号店」を除けば、新橋の店舗は3~25坪の規模。新規出店は小規模店に絞っているため、どこもすぐにいっぱいになり、本店をはじめ、あふれたお客を次々とグループ店に誘導しやすいのだ。立ち飲みや洋食業態もあり、お客が気分により使い分けることができるのも強みだ。
2007年から出店の洋食業態では、8割が男性客の居酒屋業態とは異なり、女性比率4割と新しい客層をつかむ。2001年からは五反田でも展開を始め、新天地でも攻勢をかけている。
「魚金本店」の内部(左)と外観(中)。2001年より五反田にも進出。10月28日には同地での3店目「ビストロ UOKIN 五反田」をオープンした。(右)洋食業態「ビストロ UOKIN」外観。15坪(席のみの別棟含む)で月商1000万円

店舗DATA
【魚金本店】東京都港区新橋3-18-3
TEL : 03-3431-1785●1995年開業●店舗面積/ 51坪(168.3m2)●席数/ 80席●営業時間/ 17:00~23:30(月~金)、16:30~23:30(土)、16:30~23:00(日祝)、無休●客単価/ 4000円弱●1日の平均来客数/ 170~180人●月商/ 2000万円●スタッフ数/ 12~13人●経営/金原商会
文=大塚 千春、写真=室川イサオ
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