
四季で業態が変わる割烹 個性的なコンセプトで集客
かわな(旬の食材専門店、東京・九段下)
「土鍋炊き鯛めし」(2人前2400円~)や「上穴子重」(1700円)は、シーズンの到来を待つファンも多い。下は「生いくらの刺身」(1200円)と「あんこう鍋」(1人前2900円)
春は鯛、夏は穴子、秋はイクラ、冬はアンコウと、季節によって旬の食材の専門業態に入れ替わるユニークな割烹が東京・九段下の「かわな」だ。
11月中旬には「いくら家 かわな」の今季営業が約1カ月をもって終了し、「あんこう屋 かわな」が開業したところ。来年3月半ばからの「鯛めしや かわな」が立ち上がるまで、4カ月間はあんこう屋として営業する。
1日の営業時間中に業態が入れ替わる二毛作店、三毛作店はあるが、「季節ごとに業態転換する飲食店がないことに気付いた。そこで、季節感があり、誰もが知っていて、なおかつ家庭ではあまり調理せず、さらに専門店が少ないものを探して現在の4つの食材に行き着いた」とオーナー兼板長の川名和久さんは話す。
土鍋で炊いた「鯛めし」や「上穴子重」「いくら丼」「あんこう鍋」といった定番メニューを提供しつつ、バゲットにバターを塗り煮穴子のペーストを載せて焼いた「穴子トースト」や、筋子を切った「生いくらの刺身」、いくらをジャガイモで包んで揚げた「いくらコロッケ」、肝醤油で食べる「あんこうの刺身」など、専門店だからこそ味わえる一品も用意した。刺身、揚げ物、焼き物、煮物など調理方法のバランスにも配慮し、食べ飽きない工夫もしたという。
川名さんによると「イクラがおいしかったから、次はアンコウ……という形で季節ごとのリピートにもつなげられる。独自性のあるコンセプトなので印象に残りやすく、口コミでの紹介客が来るなどメリットが多い」という。
左:渋い色使いののれんも業態が変わるごとに掛け替える。「違うお店ですか?」と尋ねてくる人も。
中央:客席数は20席。昼は25人、夜は20人前後の来店がある
右:「鯛めしや」「穴子屋」などそれぞれのショップカードを並べている。
実際、裏通りの静かな立地だが、近隣のオフィスに勤める男女だけでなく、埼玉県や千葉県、神奈川県など遠方からわざわざ足を運ぶ客も増え、不況下にもかかわらず、夜も最低1回転はするなど、堅調な経営を続けている。

店舗DATA
東京都千代田区飯田橋1-5-5 I.W.Oビル1F
TEL:03-3263-7597●2008年6月開業● 店舗面積/11坪(36.3m2)●席数/20席(うちカウンター8席●営業時間/11:00~14:00、17:00~22:00(21:30L.O.)、日祝定休●客単価/昼1500円、夜4000~6000円●月商/250万~300万円●1日の来店客数/約45人●スタッフ数/4人
文=橋本 伊津美、写真=室川 イサオ(鯛と穴子は除く)
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