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知っておきたい店情報

出店地に合わせて「南チロル」を訴求 通販・テイクアウトで売り上げを伸ばす

クチーナ・チロレーゼ 三輪亭(イタリア料理店、東京・豪徳寺)、バール・ボルツァーノ(同、東京・下北沢)

2010年7月2日
人気メニューの一部

人気メニューの一部(写真はバールの料理)。手前から「ソーセージ盛り合わせ」(2皿で1500円)、パスタの一種「カボチャのスペッツレ」(680円)、「グーラッシュ」(1300円)

東京・豪徳寺のイタリア料理店「クチーナ・チロレーゼ 三輪亭」は、2007年開業の南チロル料理専門店だ。南チロルとはイタリアの最北地域。旧オーストリア領で食文化もドイツ語圏の色が濃い。

現地のレストランで修業をした三輪学シェフだが、シニアや家族客の多い同店、「いきなり南チロルを押し出しても、お客様は付いて来ない」(同シェフ)と、料理の4割は一般客に馴染み深いスパゲッティなどのイタリア料理で構成した。「“普通”のイタリア料理を食べておいしいと思ってもらったところで、次のステップとして南チロル料理を薦めている」(同)。結果、地元を中心としたお客に徐々に評判が浸透し、最近は、週末は予約が必要なほどになってきたと言う。

また、2008年には共同経営で東京・下北沢にバール形式の店「バール・ボルツァーノ」をオープン。共同経営者のリバースコーポレーション中村喜郎社長は、飲食店がひしめき合う場所柄を考え、「他店との差別化を図るため、店舗の業態替えの際、特徴を出そうと三輪氏に声を掛けた」と言い、南チロルを前面に押し出す。

同店では、若者の街・下北沢という土地柄、メニュー単価を下げる必要があるため、三輪亭より各料理のポーションを小さくした。仕込みは三輪亭で行い人件費も圧縮。差別化が奏功し常連客も目に付き、坪月商20万円を売る。

一方、三輪亭では、顧客層を広げるため、昨秋より手作りサラミや南チロルのチーズなどの通信販売を始めた。最近では、通販で同店を知った地方客が、店を訪れることもあるそうだ。

また、チーズなどのテイクアウトも好評で月30万〜40万円を売り上げる。「ランチに来た主婦客が家族のお土産に1000円、2000円の買い物をしてくれる」(三輪シェフ)と言う。

下北沢の店(左)では、当初店頭にイタリア国旗を出していたが、単なるイタリア料理店と見られないよう引っ込めた。今は南チロルの旗のみが飾られている(写真天井部分など)。15坪・30席で客単価は3000円。豪徳寺店頭(左から2番目)にはイタリア国旗が。(右から2番目)2〜3カ月先まで予約で一杯の通販商品。(右)客席からも見える自家製サラミ庫。

店舗DATA

バール・ボルツァーノ
クチーナ・チロレーゼ 三輪亭

【クチーナ・チロレーゼ 三輪亭】
東京都世田谷区豪徳寺1-13-15 TEL:03-3428-0522●店舗面積/29.7坪(98m2)●席数/24席●営業時間/11:30〜14:00(L.O.)、14:00〜15:30(L.O.)、18:00〜23:00、水・第1火休●客単価/昼2300円、夜6000円●月商/500万〜600万円

【バール・ボルツァーノ】
東京都世田谷区北沢2-6-6 TEL:03-3468-5210● 営業時間/平日17:30〜翌3:00、土祝12:00〜翌3:00、日12:00〜24:00、無休●月商/300万円

文=大塚 千春、写真=小川 玲子