「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

知っておきたい店情報

お客に調理場を開放し人件費を徹底カット 100坪の店舗を3人のスタッフで回す

清貧(居酒屋、東京・中野)

2010年8月6日
清貧(居酒屋、東京・中野)

上:取材時に調理していたのは男性がほとんど。料理男子の増加も清貧のコンセプトを後押しする。下:お客の滞在は平均4時間

お客自ら料理を作る─そんなフル・セルフ式の居酒屋「清貧」が人気だ。店の基本システムは30分200円(学生150円)のタイムチャージ制で、1600円を超えた分は加算されない。

お客は店の冷蔵庫から好きな食材を見繕い、料理を作って食べる。食材ごとに値札が張ってあり、それを首に提げた「マイ伝票」に張って退店時に精算する仕組みだ。食材は近隣の生産者から仕入れた野菜や100g程度でパックした肉類などを用意。スナックや缶詰類も充実している。価格はキャベツ1/8切れ50円、プチトマト5個200円、豚バラ肉100g180円とスーパーより3割程高い。調味料や調理器具の使用料はタイムチャージに含まれるが、卓上コンロのカセットガスやたこ焼き器などは別途料金が掛かる。

ドリンクの価格は生ビール中ジョッキが199円で、焼酎はワンショット(50㎖)250円から。お得なグラス(120㎖)はショットの倍額に設定している。ドリンクもセルフ式で、お客はカウンターで注文して受け取り、席に運ぶ。食べ終わった食器はお客が所定の場所へ下げる。おかげで100坪の店舗ながら、混雑時でも3〜4人で対応できている。

そこまでサービスを省いて飲食店と言えるかという声が聞こえてきそうだが、オーナーは「居酒屋というより街中にできたキャンプ場だと思っている」とのこと。奇をてらったようにも見えるが、タイムチャージ制にすることで滞在時間に応じた売り上げが見込めるほか、人件費も大幅にカットできる。店内にはテレビゲーム、ボードゲーム、楽器を揃えるなど、酒を飲まない人でも楽しめる工夫もあり、酒離れが進む若者でも利用しやすい。居酒屋やカラオケとは違った気軽なコミュニティスペースとして成長が期待できそうだ。

中央:野菜は20〜30種類用意。食材の持ち込みはNGだが、予約すれば調達は頼める。左:料理本も用意。右:マイ伝票。衛生上のトラブルがあったときに連絡がとれるようグループ客の1人を会員登録させている

MAP

店舗DATA

東京都中野区本町6-20-12 SAN新中野ビル1F TEL:03-6892-0841●2009年7月開業●店舗面積/100坪(330.6m2)●席数60席●営業時間/ 19:00〜翌5:00、(土曜17:00〜翌5:00、日祝19:00〜24:00)、月休●客単価/約2600円●1日の平均来客数/平日30人、週末70人

文・写真=鈴木 桂水