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知っておきたい店情報

ネット通販だけで年商2億4000万円 決め手は、きめ細やかな顧客対応

インドカレーの店 アールティー 新長田店(インド料理店、神戸市)

2011年1月7日
アールティー 新長田店(インド料理店、神戸市)

上:通販との共有を目的に作られた厨房は、25坪の広さがある。ここで10人の料理人が作業し、作ったカレーを通販用の袋に詰める。下:タンドール窯も3台あり、通販用だけで1日1000枚のナンを焼く

空き時間に始めたネット通販が年商2億4000万円の大ヒットになった店がある。1997年に開業し、神戸を中心に4店を営むインド料理店「アールティー」だ。

「インドカレーをもっと広めたい」と、ネット通販を始めたのは2006年8月。店が空く15時~17時に、インド人シェフが作るカレーを楽天市場で販売した。レトルトではなく出来立てを冷凍配送するなど工夫したが、最初の1年はほとんど売り上げがなく、受注は1日1~2件だった。「商品撮影もHP作成も、すべて私がしていたんです」と、同店のバシン晴美代表。「でも写真が小さく商品説明も不足していて、楽天の方にも『こんなページじゃ売れない』と」。そこで、通販開始から1年後、HPに詳しい知人に頼みページを作り直した。料理がおいしそうに見えるよう写真を撮り直し大きく掲載。トップページは写真中心でシンプルに、個々の商品ページは詳しく作り込んだ。その結果、じわじわ売り上げが増加。2008年に送料込み1000円という初回限定のお得な「お試しセット」を始めると、さらに売り上げが伸びた。

とはいえ「きちんと準備しないうちから、お試しセットをまねるのはお勧めできない。ウチは受注に備えて料理人と設備を整えたから、2009年に1日に最多で400件の受注が来たときも対応できた」とバシン代表。それより顧客対応を充実させることがネット通販成功のポイントだと言う。「ベジタリアンの方から要望があれば掲載していないメニューでも作るなど、お客様一人ひとりの要望に応える姿勢が大切」だ。もう一つ大事なのは「また食べたい」と思える味作り。「ウチのカレーは十数種のスパイスが絶妙に組み合わされたまろやかさが特徴。お客様の声に耳を傾けながらもそれに左右されずに『ウチの味』を守り続けることが大事です」。

アールティーのホームページはこちら

左より
・袋詰めした商品は急速冷凍した後、クール宅急便で出荷。出荷数は1日200~300個。
・通販専用の事務所では8人のスタッフが受注とHP作成に分かれて働く。
・2009年10月オープンの新長田店は、増え続ける通販受注に対応できるよう厨房や事務所を広く作った

MAP

店舗DATA

神戸市長田区若松町5-2-1 2F TEL:078-855-8168●2009年10月開業●店舗面積/ 110坪(363m2)●席数/ 52席●営業時間/月~金11:00~15:00(L.O.)、17:00~21:00(L.O.)、土日11:00~21:00(L.O.)、無休●客単価/店舗1000円、通販2500円●月商/店舗250万~300万円、通販2000万円

文=羽野 羊子、写真=水野 浩志