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知っておきたい店情報

2種類のもつ料理を二重鍋で提供幅広いニーズに応え、連日満席

極味(きわみ)や 黒帯(もつ料理店、札幌市)

2011年4月1日
極味(きわみ)や 黒帯(もつ料理店、札幌市)

6000円前後で入手できる焼きしゃぶ用鍋を使った「ホルもつ二重鍋」(1280円、写真は2人前)は、薄味のスープに焼いたホルモンの脂が加わり、食べるほどに旨みが増す。

「もつ焼き」と「もつ鍋」を一度に楽しめると話題の料理がある。札幌市にあるもつ料理店「極味や 黒帯」の「ホルもつ二重鍋」だ。

「札幌でも、もつ焼きともつ鍋は人気がある。しかし、もつ焼きは冬場が弱く、もつ鍋は夏場に苦戦する。二重鍋なら1年を通して需要が見込める」と、オーナーの信田直紀氏は開発の経緯を明かす。鉄板と鍋が一体化した「焼きしゃぶ鍋」を使うことで、狭いテーブルでも2つのメニューを同時に提供できるのも強みだ。

信田氏は「飲食店が10店以上も入る雑居ビルの一画にあるので、思い切ったことをやらないと集客には結び付かない」と、メニュー開発に余念がない。

例えば500円のお通しは、なんと溶岩焼きだ。熱々の溶岩プレートに、ししゃも、イカゲソなどを添えて提供する。溶岩プレートは冷めにくいので、生ラム肉や自家製つくねなどの追加メニューを誘い、売り上げアップに貢献する。そのほか、レバ刺しとゆでたニラを一緒に食べる「生レバニラ」は、ほとんどの客が注文するヒットメニューだ。

そんな努力が実り、2010年9月の開業以来、口コミで集客は右肩上がり。年末年始には、ホルもつ二重鍋が「鍋好き、焼き肉好きの両方の好みを満足させられる」と幹事に受け、宴会が好調で満席が続いた。

信田氏による店舗設計も好調の要因だ。約18坪の店内ながら、カウンター席の正面と背面に仕切りを作り、さらに席と席の間に布を垂らすことで個室感を演出。カップルなどの2人客をカウンターに誘導できるので、テーブル席を3人以上のお客で埋めやすく、狭い店内でも効率良くお客を案内できている。飲食店の激戦区札幌で鍛えられた信田氏のアイデアには、繁盛のヒントがたくさん詰まっている。

左より

・ホルもつ二重鍋や生レバニラなどのアイデアメニューが評判を呼び、連日満席で1.5〜2回転する。「札幌でも猛暑が続いた2010年の夏は、もつ鍋業態が不調で閉店する店も多かった。しかしホルもつ二重鍋なら、夏場も乗り切れるはず」と、信田氏の自信は揺るがない
・レバ刺しとゆでたニラを合わせた「生レバニラ680円」はネーミングがバツグン
・厨房側から見るとこう。壁の向こうにカウンター席がある。手前に見えるのは料理の受け渡し口
・カウンター席を斜め後ろから見た図。布の仕切りとお客背面の壁の間には人が1人通れるほどのスペースがある。

MAP

店舗DATA

札幌市中央区南4条西5丁目 第4藤井ビル3F TEL:011-272-6767●2010年9月開業● 店舗面積/17.7坪(58.5m2)●席数/32席(カウンター8席、小上がり24席)●営業時間/17:30~23:30(L.O.)、金土祝前~翌2:30(L.O.)、日祝~23:00(L.O.)、無休●客単価/4000円●1日の平均来客数/100人●月商/240万円●スタッフ数/ 6人(アルバイトを含む)●経営/個人

文・写真=鈴木桂水