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知っておきたい店情報

「包む楽しさ」押し出し女性客が行列 サムギョプサルブームを牽引

ベジテジや 四条烏丸店(サムギョプサル専門店、京都・烏丸)

2011年9月2日
ベジテジや 四条烏丸店(サムギョプサル専門店、京都・烏丸)

「トマトキムチ」「とろ~りチーズ」などトッピングは20種以上。サンチュとパチョレギ(ネギサラダ)は食べ放題だ。「女性はお酒を飲まない」を覆し、売り上げの1/4はドリンク。マッコリをやかんで出したり、マッコリに生野菜やフルーツを合わせたカクテルを作ったりと、お酒を飲んでもらう工夫をしている。

関西でもブームとなりつつあるサムギョプサル。その火付け役といえるのが、京都と大阪で4店を展開する「ベジテジや」だ。中でも四条烏丸店は週の半分は行列ができる人気。お客の8割は特に韓国料理ファンではない25~30歳のOL。経営するゴリップの勝山昭社長も「ウチは韓国料理ではなく、全くの新業態」と話す。

8年前、韓国で会社を経営していた勝山社長は、日本にサムギョプサルが根付いていないと気付き、開業を思い立つ。しかし「サムギョプサルは豚の焼き肉。『焼き肉は牛』が根強い日本にそのまま持ち込んでも受け入れられない。なのであえて『焼く』ではなく『包む』にポイントを絞り、サンチュやクレープで豚肉と様々なトッピングを包む新しいサムギョプサルを考え付いた」。

2006年、京都市深草に1号店をオープン。サムギョプサルに特化することで食材数を絞り込み、ロスを減らした。当初はブランド豚を仕入れていたが、「他の素材と一緒に包むと、ブランド豚の良さが出ない」(勝山社長)。そこでブランドにこだわらず、「包んでおいしい」豚を仕入れ値段を抑えた。

お客を飽きさせないよう、20種類の豚肉のほか、チーズやアボカドなどのトッピングを22種類と豊富に用意。食材の組み合わせは1000通りにもなる。さらに既存のサンチュより芯が細くて葉が柔らかい、「巻きやすい」オリジナルサンチュを自家栽培。また初めてサムギョプサルを食べるお客が多いことに留意し、店員を「サムギョプサルの伝道師」と位置付け、接客を徹底。店員がそのつど肉を焼き、カットし、包み方を説明する。それらの工夫が実り、順調に売り上げが向上。2015年をめどに50店舗を展開し、さらに「日本のサムギョプサルを韓国に逆輸出したい」と勝山社長は抱負を語る。

「包む楽しさ」「野菜たっぷり」で女性客を獲得

ベジテジや 四条烏丸店(サムギョプサル専門店、京都・烏丸)

左より
・「韓国料理の枠を越えた新業態を作りたかった」と勝山社長
・四条烏丸店はオフィス街に位置し、周辺にはOL客が多い。
・店頭には観光地でよく見かける、穴から顔を出す看板を設置。写真を撮ったお客がブログにアップするなどの口コミ効果も狙っている。
・女性の手の平サイズのサンチュを自家栽培。芯が細くて葉が柔らかいので、素材を巻いても破れにくい

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店舗DATA

京都市下京区綾小路通室町西入善長寺133TEL:075-361-0129●2008年9月開業●店舗面積/46坪(151.8m2)●席数/67席●営業時間/月~木・日17:00~23:00、金土・祝前17:00~24:00、不定休●客単価/3700円●1日の平均来客数/平日60人、週末100人●原価率/28%●月商/750万~800万円

(文=羽野羊子、写真=水野浩志)