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知っておきたい店情報

コスパの高さでお客を惹きつける 兄妹二人のあったか下町系フレンチ

フランス料理 Y’S(ワイズ・フランス料理店、大阪・福島)

2012年6月15日
フランス料理 Y'S(ワイズ・フランス料理店、大阪・福島)

「Y'Sのプレートランチ」(1050円)。生ハム、サラダ、スープ、パン、オムレツ、肉と魚のメイン2種類と盛りだくさんな内容

下町の風情が残る大阪市福島区の聖天通商店街。600~700円台のランチを出す飲食店が多い中、1050円の「Y'Sのプレートランチ」一つで勝負しているのが「フランス料理 Y'S」だ。

プレートランチは、生ハム、サラダ、スープ、パン、オムレツ、肉と魚のメイン2種類と盛りだくさんの料理がお皿いっぱいに彩りよく盛られ、パンはおかわり自由。コーヒーもついて「これは安い」とお客を感嘆させている。オープン時はコースで出していたが、オペレーション回数を減らすため、2年後にワンプレートに変更。結果的にお客の滞在時間が短くなり、回転率も良くなった。

「この辺りで1050円は高いが、僕の料理レベルを落とさず提供できるぎりぎりの価格」とオーナーシェフの吉田康洋氏。価格を下げて他店に対抗するのではなく、一皿の完成度を高める工夫をした結果、1050円でも「安い」と評される一皿を作り上げた。

“安さ”を実現できる理由は、市場での仕入れにある。この場所に店を出したのも中央市場に近いため。市場には商品の値段が下がる昼に行き、いい食材を大量に仕入れストックしておく。ランチの内容も、週や月ごとに変えると決めておらず、いい食材が入ったら変わる仕組みだ。

ランチタイムが90分と短いのは、「昼は1日30人」と決め、人数分の食材しか仕入れないため。食材のロスはゼロに近い。それに、「僕と妹だけでやっているので、短時間に集中する方が気持ちにも張りが出る」と言う(吉田氏)。

接客を担当する妹・舞子さんの、笑顔あふれる応対も店の人気を支える。「喫茶店をする母を見て育ったので、自然とお客を大切にする姿勢が身についた」(吉田氏)。毎日、書き換える店頭の黒板からも、お客への感謝とあたたかい雰囲気が伝わってくる。

フランス料理 Y'S(ワイズ・フランス料理店、大阪・福島)

左:昼は、近隣から自転車でやってくるお客も。中央:カウンターメインの店内。昼は「1050円で満足を」、夜は「お二人1万円で満足を」がコンセプト。夜は正統派フレンチコース(4000円)やアラカルトを提供。ワインも豊富で、1人で4、5杯を楽しむお客が多い。右:店頭に置かれた黒板。そのうち一つは、毎日メッセージが書き換えられる

MAP

店舗DATA

大阪市福島区鷺洲2-7-14TEL:06-6453-1177●2007年11月開業●店舗面積/10坪(33m2)●席数/16席●営業時間/ランチ12:00 ~13:30(L.O.)ディナー18:00~22:00(L.O.)水曜休●客単価/昼1500円、夜5000円●1日の客数/50人●原価率/昼40%、夜55%●スタッフ数/2人●経営/個人

(文、写真=羽野羊子)