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知っておきたい店情報

坪月商80万を誇るイタリアン居酒屋 男性客狙い「わざとダサく」

イタリアン酒場 ナチュラ 武蔵小杉店(イタリアン居酒屋、神奈川・武蔵小杉)

2012年8月3日
イタリアン酒場 ナチュラ 武蔵小杉店(イタリアン居酒屋、東京・武蔵小杉)

「シラスたっぷりペペロンチーノ」(880円)は客席で80グラムのしらすをかける。

東京・武蔵小杉「イタリアン酒場 ナチュラ 武蔵小杉店」は、開店の1時間前からお客が並ぶ。坪月商80万円、約30人しか入れない店に1日平均100人ものお客がつめかける。

河合倫伸(かわいとものぶ)ナチュラ社長が目指したのは「イタリア料理を知らない人のための店」だ。店内の天井付近には、メニューを書いた万国旗のようなポップが並ぶ。「この業態のために研究したのは大衆酒場のみ」と河合社長が言うように、たたずまいは雑多な居酒屋そのもの。サラリーマンを呼ぶ店にしたいと策を練った結果だ。

季節感を出しやすい新鮮な魚にこだわり、冷凍品は一切使わない。しかし、お客が、料理目当てではなく、店に来ること自体を楽しめる店作りを意識している。「うるさいとお客様からクレームが来ることも少なくない」(河合社長)ぐらい、スタッフが率先して声をはりあげ店内を活気付ける。言葉づかいもわざとラフに。雰囲気を楽しめないお客は去っていってもいいと割り切る。

ワインを知らないお客が楽しめるよう、スパークリングワイン(580円)は氷を入れてジョッキで出す。赤白ワインの一番人気は、ピッチャーに入った1リットル1980円のがぶ飲みワインだ。客単価3600円でお腹いっぱいになるボリュームを意識しながら、料理は飲むことが目的のお客を考えて塩加減を強めにしている。また、料理のソースはパンに付けてつまみとして楽しめるよう、たっぷりと盛る。

店内は、入口や全客席からキッチンが見える作りで、フランベでわざと大きく火をおこすなどお客の興奮を誘う。お客を刺激できれば、料理のオーダーにつながるからだ。6月15日に、22坪の別館を店の向かいにオープン。こちらも既に平均日商29万円と好調だ。

イタリアン酒場 ナチュラ 武蔵小杉店(イタリアン居酒屋、東京・武蔵小杉)

店頭にはイタリアの食材や鮮魚を置き、入店客に説明。夏場は食材の代わりにドリンク類を陳列する

店内を埋め尽くすポップでダサさとライブ感を演出

イタリアン酒場 ナチュラ 武蔵小杉店(イタリアン居酒屋、東京・武蔵小杉)

右:ジョッキ入りスパークリングワインと1リットルのがぶ飲みワイン。中央:人気料理3種。手前から「マグロ骨付き肉のスモーク」(880円)、ソースたっぷりの「3種の貝のワイン蒸し」(680円)と「いろいろ野菜のバーニャカウダ」(780円)。左:開店直後から賑わう武蔵小杉店。

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店舗データ

神奈川県川崎市中原区小杉町3-428-6 山脇ビル1FTEL:044-722-0088●2010年6月開業●店舗面積/13.8坪(45.54m2)●席数/26席、立ち飲みスペース約8人分●営業時間/ 17:00~ 24:00(L.O.)、月休●客単価/3600円●1日の平均客数/100人●原価率/30%●月商/1100万円●スタッフ数/8人(ピーク時)●経営/ナチュラ

(文=大塚千春、写真=室川イサオ)