「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

知っておきたい店情報

雑居ビルの4階を味方につける お客が「自慢したくなる」店づくり

なにわフレンチ びぎん(フレンチ居酒屋、大阪・心斎橋)

2013年3月1日
なにわフレンチ びぎん(フレンチ居酒屋、大阪・心350斎橋)

手前から名物「MIXサラダ」(2人前2000円〜)、「こだわりハンターのエゾシカのタタキ」(1600円)、「佐世保・天然ヒラマサのカルパッチョ」(1500円)。サラダ以外の料理にも野菜をたっぷり盛り付けるのが特徴。生ビールはサッポロの「エーデルピルス」(650円)。大阪府内では8軒しか提供していないこともあり人気が高く、1日に10ℓの樽を売り切る。ビールとワインの2本柱で、お客の9割がお酒を頼む

雑居ビルの4階という悪立地ながら、予約客だけで満席になる「なにわフレンチ びぎん」。人気はお客の8割が注文する「MIXサラダ」。有機・無農薬野菜のサラダに、リクエストに応じて足赤エビや明石蛸などをトッピングする。皿からこぼれそうなボリュームと自由度の高さが人気を呼んでいる。

この流れはオーナーシェフの村井浩二氏にとって好都合。「最初の一皿は早く出したいが、調理するのは僕一人。複数の料理を盛り合わせるオードブルよりサラダの方が手間が少ない」からだ。

スタッフは基本的に村井氏とソムリエールの2人だけ。4階なので家賃も安い。人件費と家賃を抑えた分、食材にコストをかけられる。原価率は40%以上になる。北海道のハンターからチルド輸送される野生の鹿肉や奥美濃古地鶏といった珍しい食材を生産者から直接仕入れる。調理法も、食材を引き立たせるべくソースなどで「厚化粧しない」フレンチだ。

だがオープン当初は通りすがり客がいないため、せっかく食材にこだわっても試してもらえずに苦戦した。そこで村井氏は月に一度「季節のお料理とワインのお集まり会」を開催。この日だけの特別料理5品とワイン5種を提供して料金は5000円。原価率50~60%と高めだが、店を知ってもらう目的で続けたところ、お得さがクチコミで広まり、5回目から予約で満席に。この会がきっかけで通常営業日のお客も増えた。

すると、4階という立地が「隠れ家」的な立地として強みに変わる。「こんな分かりにくい場所にいい店を知っている」「おいしい鹿が食べられる」とお客が周りに自慢したくなり、新しいお客を連れてきてくれる好循環が生まれたという。

フレンチには珍しい「まずはビール」という雰囲気も人気

なにわフレンチ びぎん(フレンチ居酒屋、大阪・心斎橋)

主な客層は40代以上の男女(男女比は半々)。客単価5000円以上と高めだが同店にしかない料理とお酒を求めてお客が集まる。全席禁煙で10歳以下は入店不可。店のコンセプトは「座敷とお箸とのれんと醤油」。フレンチの堅苦しさを排除しようと入口にのれんをかけ、カウンターのほかにあえてテーブルではなく、座敷を設けた。お箸で食べる気軽さもウリの一つ

map

店舗データ

大阪市中央区東心斎橋2-5-31 月虎51番館 4FTEL:06-6211-1240●開業/2010年1月●店舗面積/13.5坪(44.6m2)●席数/20席●営業時間/18:00〜23:00、日祝、不定休●客単価/5000〜6000円●1日の平均来店客数/20〜25人●月商/300万円前後●原価率/40〜43%●スタッフ数/2人●経営/個人

(文、写真=羽野羊子)