「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

知っておきたい店情報

北新地の隠れ家ビストロ 地下の店で常連客開拓に成功

G'dayワイン食堂(ビストロ、大阪・北新地)

2013年11月29日
G'dayワイン食堂(ビストロ、大阪・北新地)

料理は、右から「淡路産甘玉葱のキッシュ」(800円)、「梅山豚(めいしゃんとん)ロース肉のスモーク・ローストポーク」(2200円)。「仙鳳跡(せんぼうし)産フレッシュオイスターの瞬間薫製」(2200円)。甘さが特徴のキッシュはデザートとして食べる男性も多い。仙鳳跡は北海道・厚岸湾岸の牡蠣産地。大ぶりで甘い牡蠣が水揚げされる

「G'day(グッダイ) ワイン食堂」は繁華街・北新地の隠れ家ビストロ。雑居ビルの地下にあり、地上の喧噪(けんそう)と一線を画す。豪州英語の挨拶「G'day」を店名にしたオーストラリアワインの専門店で、ひと手間かけた創作フランス料理が特色だ。特にチョコレートケーキのような甘みとコクの「淡路産甘玉葱(たまねぎ)のキッシュ」が名物。料理の平均単価は2400円と高めだが、40~60代の常連が中心のため「この食材でこの価格なら安い」との声が多い。常連の信頼を集め、平均客単価は8500円。地下店ながら坪月商は約20万円を確保する。原価率は48%と高めで、オーナーの稲次(いなじ) 夏美氏は「常連のためにも原価率は下げない」と話す。

ワインはボトルで5000円からだが、フランスやイタリアのワインをよく知る常連からは「オーストラリアワインは新鮮」と好評だ。

今でこそ軌道に乗っているが、3年前の開業時は目立たない場所で苦戦した。そこで稲次氏は初来店客をリピーターに育てようと、直筆の礼状を送った。その後も手書きの挨拶を添えたダイレクトメールを2カ月おきに送り、店の丁寧な印象を伝えた。

そのお客が来店した時も心地よく過ごせるよう工夫をした。悪酔いしないよう、ワインを飲む際にはチェイサーの水を用意。また満席では全てのお客にサービスが行き届かないと考え、入店を断ることもある。こうした接客を徹底することで、北新地にありながら、おいしい料理を落ち着いて食べられる店の一つという評価を勝ち取っている。今では初来店したお客の8~9割がリピーターになり、またお客を連れてくるという好循環が生まれている。

北新地で信頼を勝ち取り、客単価は8500円

G'dayワイン食堂(ビストロ、大阪・北新地)

左:雑居ビルの地下1階にある店舗。外から店内も見えず、まさに「隠れ家」だ
右:落ち着いた雰囲気の店内。ここで2カ月に1回、常連に感謝するワイン会を開催する。会費は1万円だが、原価率5割以上の特別料理を用意する

G'dayワイン食堂(ビストロ、大阪・北新地)

初来店客には手書きの礼状を送る。季節の挨拶だけでなく、お客に薦められた本の感想を書くなどの工夫をする

map

店舗データ

大阪市北区堂島1-3-33 新地萬年ビルB1F TEL:06-6347-4404●開業/2009年9月28日●店舗面積/15坪(49.5m2)●席数/18席●営業時間/火~金18:00~ 26:00(24:00L.O.)、土祝18:00~22:00、日11:30~14:30、17:00~22:00、月休●1日の平均来店客数/18~20人●月商/約300万円

(文、写真=羽野羊子)