
新川義弘の「愛される接客」(特別編2)
そして、いよいよ実技試験
ホール部門の実技試験は、「(お客様の)テーブルへのご案内から、オーダーテイク、料理の提供・説明、お会計、お見送り」の一連の接客業務を、テーブルについた3人のお客(=審査員)を相手に、ロールプレイング形式で実施するというもの。競技時間は大体1人15分。

接客部門の実技試験の様子。店舗によってメニューが異なるため、試験で使うメニューブックは選手ごとに変え、その人が働いている店のものを使用。試験中は本物の料理やドリンクを出すわけではなく、皿の上に料理名を書いた紙を貼って提供するフリをしてもらった
お客役の審査員は、あるときは、常連客が行きつけの店に大事な知人二人を連れてきたという設定、またあるときは誰かの誕生日祝いという設定と、選手が変わるごとに設定を変え、そのお客になりきって、選手に対してアドリブで様々な質問やリクエストをした(選手は、そのときにならないと、自分が応対するお客がどういう人なのかは分からない)。
例えば、初めて店に来たという役の審査員が、「このお店のお薦めは何?」「ハモンイベリコって普通の生ハムと何が違うの?」「銀座にも同じ名前の姉妹店があるみたいだけど、この店とは何が違うの?」などと料理や店について聞いてみたり、大事な知り合いを連れて来た常連客が、「この後、雰囲気のいい場所でお茶をしたいんだけど、今の時間でも空いているお薦めのお店を知らない?」と尋ねたり、誕生日の人がいるグループのホストが、「今日はこの人の誕生日なんだけど、誕生日の人に何かしてくれるんですか?」と聞いてみるといった具合。また、どの選手のときにも、途中で審査員がスプーンを落とすか、料理に髪の毛が入っていることを指摘するかのどちらかを行い、それに対して選手がどう対応するかもチェックした。
一方、キッチン部門では、まず全員が「包丁の使い方」「火入れ」「規定メニュー料理」の3種類の実技試験を受けた。「包丁の使い方」の試験は、具体的には大根のかつらむき。制限時間3分でかつらむきの長さを競い、途中で切れてしまった場合は、そこでストップとした。「火入れ」の試験は、プレーンオムレツ。使う卵は皆同じで、調味料は、用意しているものの中から自由に選んだ。そして、「規定メニュー料理」の試験はボンゴレビアンコ。「リゴレット」で使っているボンゴレビアンコの材料を使い、各店のレシピ通りに作った。

大根のかつらむき中

オムレツを作る選手たち
そして、上記の3種類の試験の上位2名の選手が、決勝に進出。決められた食材を使い、“料理の鉄人方式”で規定時間内に自由に料理を作った。決勝に進出したのは、「DAZZLE」の藤山貴俊さんと、「RIGOLETTO」新丸ビル店の中山勝彦さん。彼らに与えられたテーマ食材は、ほろほろ鳥。2人は、それを使って前菜とパスタ(またはパエージャかリゾット)と、メイン料理の3皿を自由に作った。
また、バー部門では、まず各自、事前に用意した材料を使い、売価や原価まで考慮した上で、「自分が一番美味しいと思うモヒート」を制作。制限時間10分で3杯のモヒートを作り、審査員はそれを味や技術、アピアランスという点から審査した。次に、実際の営業を想定し、ロールプレイング形式の実技審査も実施。審査員がお客となり、あらかじめ決められたドリンクメニューの中からオーダーをしたり、自分のリクエストを言うなどし、それに対する選手の応対ぶりが審査された。

バー部門の実技試験の様子
(特別編3)に続く
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