
【新連載】サイゼリヤ・正垣泰彦会長の「土壇場の経営学」
安売りしてでも売り上げを確保すべき?
年商850億円の企業を一から作り上げた正垣会長が、数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験から、様々な悩みや質問に答えるコーナーです。第1回の質問は、「売り上げが減少。安売りしても数字を作るべき?」。正垣会長の答えは――。
今、大切なのは売り上げの確保ではなく、無駄をなくすことだ。売り上げがほしいからといって安易な値下げによる販促をすべきではない。ある意味、この環境では、既存店の売り上げが落ちるのは当たり前と考えたほうがいい。
サイゼリヤは、店長に売り上げ目標を課していない。店長の仕事は人件費、水道光熱費など経費をコントロールすることだ。つまり、店の売り上げは立地、商品、店舗面積で決まる。売り上げが悪くなるとすれば、商品開発をする本社の責任で、店長のせいではない。売り上げを何とかしろ、と店長に言えば、販促にお金を使うしかなくなってしまう。私は広告宣伝や販促をしたことはないが、仮にそれらを実行して一時的にお客様が増えても、急な客数増による慣れない仕事で現場が疲れるだけだ。
やみくもな販促や安易な閃きでアイデア商品を投入する店もあるが、短期的には売り上げが増えても、生産性を下げ、長期的には店の力を弱くしてしまうだろう。
ほとんどの人は売り上げが増えれば、利益も増えると思っているが、それは違う。利益は「売り上げ」-「経費」。無駄を無くして、経費を削れば利益は増える。本来、売り上げが減っても利益が増える店を目指すべきだ。売り上げが減って利益が出ないから困るというのは、今まで無駄なことをたくさんしていたということでもある。
景気が良いときは、その無駄に気が付かないから、今はそれを見直すチャンスと捉えるべきだ。そうすれば、景気が回復してお客様が戻ってきてくださった時に、すごい利益をあげられるようになる。これは客単価や商圏を問わず、どんなタイプの飲食店でも同じだ。
無駄を無くす時に、一番効果があるのは、何かを改善しようと考えるのではなく、今までやっていたことを止めることだ。
では、飲食店では何を止めればいいか――。
(続きは本誌でご覧ください)
(日経レストラン編集部)
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