1680円の400gステーキでレッドロブスター好調

節約疲れの消費者をガッチリ獲得!

2010年3月17日

消費者の巣ごもりムードによる外食不況が叫ばれて久しい。しかし長期の節約生活に疲れ、「ちょっとだけ贅沢したい」と“節約疲れ”を起こしている消費者が増えているのも事実。例えば、マクドナルドのビッグアメリカンシリーズなど、ちょっと高くてもボリュームのあるメニューを食べて生活の潤いを感じる、という風潮が目立ってきた。

そんな折、タイムリーなメニューでヒットを飛ばしているのが、レッドロブスターの「ビッグサプライズステーキ(以下ビッグステーキ)」だ。1人前400gのステーキとライスをセット価格1680円で提供している。2月26日から先行販売として神奈川県藤沢市の江の島店など12店で試験販売をスタート。提供店では近隣にチラシを配るなどして告知したところ、客足を大幅に伸ばした。12店の平均を集計したところ、ビッグサプライズステーキを提供する前に比べて、売上高は115%アップ、客数も124%まで増えるなど集客に手応えを感じている。

ジュウジュウと湯気を立てながら提供される「ビッグサプライズステーキ」。まるでキャッチャーミットのような大きさに驚く

同チェーンを運営するレインズインターナショナルの広報企画部広報担当の川合康幸氏によると、「レッドロブスターはこれまで記念日など特別な日にご利用いただく店というイメージが強かった。しかし昨今の外食離れにより、特別な日のお祝いも巣ごもりで済ませてしまうお客様が増え苦戦している。特別な日のイメージはそのままに、ステーキもおいしいお店、という面をアピールするために、お得感のあるボリュームたっぷりのステーキを用意した」とのこと。

厚みも十分。鉄板からはみ出ているが、この鉄板自体、通常のステーキ用鉄板よりも一回りぐらい大判なので、肉はかなり大きい

レッドロブスターと言えば店名の通りシーフードレストランのイメージがあるが、実際はアメリカンスタイルのシーフード&ステーキの専門店だ。今回のメニューで、「ステーキを食べるならレッドロブスター」という、アピールもしたいと考えている。

ビッグステーキを提供し始めて大きく変わったのが客層だ。これまで記念日の利用が多かったのでお客はカップルが中心だった。しかし、ビッグステーキの提供をスタートしてからはビジネスパーソンなどの男性グループや、家族連れが大幅に増えた。ちなみに男性グループ客はビッグステーキ提供前に比べて3倍増になった。

繊維質ではあるが、軟らかく食べられるように繊維の流れを見てカットされている。横幅は約25cmにもなる

ステーキはアメリカ産牛の肩肉を使用。脂身が多く、軟らかい国産霜降り牛に比べ、噛みしめるほどに旨みを感じる赤身肉だ。これはコスト面だけでなく、アメリカンステーキレストランでもある同店の個性を感じてほしいという願いからでもある。

筆者が試食したところ、しっかりとした食べ応えがあり、なるほど本場のステーキに近く肉の旨みを存分に楽しめた。複雑に赤身と筋が入り組む部分だけに、少し口に当たる部部もあるが、ごくわずかだ。これだけのボリュームながら、アゴが疲れることもなく、ぺろりと食べられる。

今回、特別に調理前のステーキ肉を撮影させていただいたのだが、筋張った部分を絶妙に取り除きながらカットすることで、コストダウンを図りつつ、食べ応えとボリュームを両立させていることが分かる。メニュー開発のチームは、「ボリュームだけでなく、アメリカンステーキのおいしさを感じていただくには、この部位、このカット法しかない」と自信を持っている。

ステーキ肉の仕入れは、系列の牛角にも精肉を卸している業者が担当。グループ全体で部位をやりくりすることで、ボリュームコストダウンさせて、この価格を実現した。

飲食店の中には客足の不調を低価格化で対抗しようとする風潮があるが、川合氏によると、「安易な値引きに走るよりも、お得感のあるボリュームと内容で勝負したい」とのこと。レッドロブスターでは2010年3月17日からこのビッグサプライズステーキ(ライス付き:1680円)を全国で5月9日まで販売するが、それ以降もグランドメニューとして販売する。5月9日以降は単品で1780円とのこと。ちなみにリニューアルしたグランドメニューではポーションを調整してワンコインで食べられるメニューを充実させるなど、工夫している。

この不況下で人気を伸ばしている店のメニューのキーワードは「でか盛り」だと筆者は読んでいる。ラーメン業界では、どんぶりに小山のように野菜や煮豚が盛られる「ラーメン二郎」の系列店は、客が殺到しており行列が絶えない。以前は男性しか並んでいなかったが、最近は女性が文庫本片手に並ぶ姿も珍しくなくなった。

本誌3月号で紹介したナポリタン&ミートソーススパゲッティの専門店「パンチョ」では、600円のスパゲッティを、無料で600gまでの大盛りにする。むやみに売価を値引くよりも、価格据え置きのまま超大盛りにするのがヒットの秘訣だ。お客に「あり得ない!」と叫ばせる非日常がある“でか盛り”でないと、凍えるほど冷え切った消費者の外食マインドは暖まらない。そういったイベント型の大盛りは、ブログやtwitterなどのネットコミュニティーでの口コミを生みやすい。もちろんでか盛り”を提供する際は、遊び半分のオーダーを規制するために、ペナルティなども考えたほうがいいだろう。値頃感や「食べきれない」というささやかな贅沢を、集客につなげてはいかがだろうか?

(鈴木桂水)

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