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遊び心を持ったメニューなら幸せな顔で注文してくれる

書籍『繁盛店は料理と言葉でつくる』

2014年8月11日

JR姫路駅近くにある定食店「とんかつ いわしろ」。ランチタイムにはお店の前に長蛇の列ができており、お客さんが首を長くして順番を待っています。

お目当ては、一風変わった定食のネーミング。

「青春物語定食」

「初恋物語定食」

「嫁VS姑物語定食」

注文する際に、ちょっと口に出すのが恥ずかしいような定食名。しかし、お客さんは笑顔でメニューを口に出して注文していきます。面白いネーミングの定食名にした経緯を、店主の三木繁幸さんに伺いました。

※   ※   ※

── 面白いネーミングの定食を始めたきっかけは何だったんでしょうか?

三木 遊び心ですよ(笑)。お客様が言いにくいようなネーミングをつけると面白いかなぁと思いまして。

── いろいろな面白い定食名がありますが、その中で一番人気の定食は何でしょうか?

三木 「三角物語定食」ですね。お皿の真ん中にエビフライを置いて、それを左右のチキンカツとトンカツが取り合うような形に盛っているんです。

── つまり……“三角関係”というのを表しているんですね(笑)。

三木 そこに、うちの店の秘伝の卵とじダレをかけるんです。“ドロドロ”している濃厚なタレで、まさに三角関係のドロドロ感を模した定食になっています。

── なるほど、定食名にも、ちゃんとした由来があったんですね。面白いネーミングの定食にしてから、お客さんの反応は変わりましたか?

三木 みなさん、面白がって注文するようになりましたよ。お客様も働いている私たちも、笑顔が増えましたね。

── 最後に面白いネーミングをつけるコツを教えてください。

三木 下品になり過ぎず、お客様にホッとしてもらえるような気持ちにさせるネーミングがいいと思います。あとは他のお店にないような個性的な名前で、なおかつ、ちょっと口に出すのが恥ずかしいぐらいの言葉を織り込むのが、ちょうどいいさじ加減のネーミングじゃないでしょうか。

でも、やっぱり定食の名前にこだわるだけじゃなくて、「味」にもこだわらないといけないと思います。うちの店は、濃厚な卵とじダレが自慢で、その味があるから、面白いネーミングに加えて、お客様が満足してくれると思います。やっぱり料理がおいしくなければ始まりませんからね。

書籍『繁盛店は料理と言葉でつくる』

書籍『繁盛店は料理と言葉でつくる』

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キャッチコピーの販促コンサルタントとして第一人者である竹内謙礼氏が、飲食店向けにお客の心をつかむ「メニューの言葉作り」を事例や用語集をまとめて分かりやすく解説しました。