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第20回メニューグランプリ、優勝は東京の後藤祐司氏!

「北アカリ芋とタマネギのタルトタタン 黒トリュフのジェラートと温かいフォンティナチーズのソース」が受賞

2015年2月19日

2月18日、日経レストランは、東京・有明の展示場、東京ビッグサイトにて「第20回 日経レストランメニューグランプリ」の決勝を開催した。同展示場で開催中の合同展示会「HCJ2015」の一つ「Hoteres Japan(国際ホテル・レストラン・ショー」の会場内に設けられた特設ステージで、決勝に進出した8人が今回のテーマである「プロが創る驚き」を表現した創作料理を実際に調理し、披露した。

グランプリを勝ち取ったのは、東京・白金台のイタリア料理店「Biffi TEATRO」(ビッフィ・テアトロ)の料理長、後藤祐司氏の作品「北アカリ芋とタマネギのタルトタタン 黒トリュフのジェラートと温かいフォンティナチーズのソース」。受賞した後藤氏には、賞金の100万円が贈られた。「20年前、初めて飲食店でアルバイトをしたのがこの東京ビッグサイト。同じこの場所でグランプリを取ることができて感激した」と後藤氏は喜びを語り、涙を何度もぬぐった。

グランプリは、イタリア料理店「Biffi TEATRO」の後藤祐司氏による「北アカリ芋とタマネギのタルトタタン 黒トリュフのジェラートと温かいフォンティナチーズのソース」。後藤氏は、調理の工程を体に染み込ませるため、営業終了後に毎晩練習し、決勝審査に臨んだ

グランプリは、イタリア料理店「Biffi TEATRO」の後藤祐司氏による「北アカリ芋とタマネギのタルトタタン 黒トリュフのジェラートと温かいフォンティナチーズのソース」。後藤氏は、調理の工程を体に染み込ませるため、営業終了後に毎晩練習し、決勝審査に臨んだ

後藤氏は、今回のテーマ「プロが創る驚き」を満たす要件を「ハイブリッドな一品」と考え、対照的な要素を1皿にいくつも盛り込んだ。食材では、身近なジャガイモやタマネギと高級なトリュフを組み合わせ、冷たいジェラートと温かいタルトタタンとチーズソースを何層にも重ねて仕上げた。

ジェラートやタルトタタンの甘味とチーズソースの塩味を見事に調和させて一つの料理にまとめ上げた手腕が、まさにプロの技として、審査員から高く評価された。

準グランプリは、東海調理製菓専門学校(静岡県浜松市)の調理部に勤務する川島準矢氏の「野菜の旨味いっぱいの中華蒸しスープ」に贈られた。普段は学生に教える立場の川島氏が、応援に駆けつけた教え子たちに見守られるなか、決勝の舞台で実力を発揮して準グランプリを勝ち取った。

準グランプリを受賞した東海調理製菓専門学校に勤務する川島準矢氏の「野菜の旨味いっぱいの中華蒸しスープ」。決勝会場には、川島氏が教える学生たちが応援に駆けつけ、受賞を喜んだ

準グランプリを受賞した東海調理製菓専門学校に勤務する川島準矢氏の「野菜の旨味いっぱいの中華蒸しスープ」。決勝会場には、川島氏が教える学生たちが応援に駆けつけ、受賞を喜んだ

川島氏の「蒸しスープ」は、フルーツトマトを詰めた小籠包をジャガイモ、ゴボウ、ネギなどから取った野菜スープに浸けてじっくり30分蒸したもの。

海外で日本料理を作る際には、コンブやカツオ節が手に入らない場合に野菜を使ってだしを取ることがある。このことからヒントを得て、ジャガイモ、ゴボウ、ニンジン、ネギなどの野菜の穏やかなうま味をだしに利用した。そこにクコの実や香菜などを加えてアクセントとし、さらにスープに浮かぶ小龍包を破ると、中からフルーツトマトが現われ、酸味の効いた味わいに変化する演出は「プロが創る驚き」にふさわしいと評価された。

審査委員長であるアイビーの熊谷喜八最高顧問は、「後藤さんのグランプリ作品は、これまで食べたことのない味と初めての食感、まねのできない盛り付けにプロならではの驚きがあり、テーマを見事に表現していた。川島さんの準グランプリ作品は、野菜から出るうま味を中心に味を作り上げた潔さが出色。小龍包の中のトマトによって、新たな味に変わる点も魅力的だった。決勝進出作品はいずれも優れていて、その差はわずか。日本の料理人の技の素晴らしさを改めて認識した。ぜひ世界で活躍してほしい」と総評した。

今回からメニューグランプリでは、食材・調味料を指定し、その素材性を生かしたレシピを募集する「企業冠賞」を新設。今回は、林原(岡山市)の製品で、でん粉から作られる糖質である「トレハ」を指定した。書類審査を経て「プロが創る驚き」を最もうまく表現した作品に、企業冠賞として「林原賞」が贈られた。

受賞したのは、タカクラホテル福岡(福岡市)の総料理長である高橋毅氏の「ビーガンもOK!! 博多ブラック 山海のベジハヤシ」。その名の通り、肉類を使わずに野菜だけでうま味を出してハヤシライスに仕上げた。トマトをベースに、シイタケ、コンブ、ヒジキなどで作った真っ黒なソースが印象的だ。

企業冠賞の「林原賞」はタカクラホテル福岡の高橋毅氏による「ビーガンもOK!! 博多ブラック 山海のベジハヤシ」。高橋さんはホテルの宴会料理に林原の「トレハ」を普段から使っており、特性を熟知しているという

企業冠賞の「林原賞」はタカクラホテル福岡の高橋毅氏による「ビーガンもOK!! 博多ブラック 山海のベジハヤシ」。高橋さんはホテルの宴会料理に林原の「トレハ」を普段から使っており、特性を熟知しているという

会場で調理の様子を披露した高橋氏は日頃から勤め先のホテルで、アレルギーやベジタリアンへの対応が必須になっていると強く感じていた。それをヒントに「干しシイタケ、コンブ、ヒジキなどの乾物の戻し汁だけでこくを出すことで、動物性の食材を一切食べないビーガン(純粋菜食主義者)の人にも喜んでもらえる」(高橋氏)料理に仕上げた。

林原賞の審査員を務めた和食店「SHIMOMURA」の下村邦和代表は、「トレハの保水力や、色持ちするという利点を存分に生かしている点が素晴らしく、全員一致で決まった」と講評した。

※ビーガン、ベジタリアンについては、国や個々人によって解釈が異なる場合があります。使用材料の詳細情報についてはお問い合わせください。

グランプリの後藤氏(中央)、準グランプリの川島氏(中央右)、林原賞の高橋氏(中央左)と審査員ら

グランプリの後藤氏(中央)、準グランプリの川島氏(中央右)、林原賞の高橋氏(中央左)と審査員ら

(写真=新関雅士、文=芦部洋子)

決勝の概要

2月18日(水)、東京ビッグサイト(東京・港)で開催中の展示会「Hoteres Japan(国際ホテル・レストラン・ショー)」の東6ホール内特設ステージで決勝を開催。応募作品を本人がステージ上で調理。決勝審査員による試食と評議を経て、「グランプリ」と「準グランプリ」を決定した。また、「林原賞」は同賞の審査員による書類審査と評議にて決定した。

決勝審査員

  • アイビー最高顧問 熊谷喜八氏

    アイビー最高顧問
    熊谷喜八氏

  • 四川飯店グループ 取締役総料理長 菰田欣也氏

    四川飯店グループ
    取締役総料理長
    菰田欣也氏

  • 「HAL YAMASHITA 東京」オーナーシェフ 山下春幸氏

    「HAL YAMASHITA 東京」
    オーナーシェフ
    山下春幸氏

  • イイコ社長 横山貴子氏

    イイコ社長
    横山貴子氏

  • 辻調理師専門学校 日本料理教授 濱本良司氏

    辻調理師専門学校
    日本料理教授
    濱本良司氏

  • 日経レストラン編集長 戸田顕司

    日経レストラン編集長
    戸田顕司

主催

日経BP社 日経レストラン

協力

辻調グループ

協賛企業