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第3回和食ワールドチャレンジ開催

日本料理の高みに目指すチャレンジャー10人の横顔 Vol.3

2015年12月11日

農林水産省が主催し、世界各国・地域で日本料理に取り組む外国人料理人がその技術を競う日本料理のコンペティション「和食ワールドチャレンジ」の決勝審査会が11月23日に開催された。第3回となる今回は、世界13の国・地域から52件の応募があった。Vol.1、2に引き続き、今回はフランス出身で日本の和食店で修業する料理人と、ロシア、ルーマニアの和食店で腕を磨く料理人の3人を紹介する。それぞれキャリアの長さは違えど、日本料理への取り組む姿勢は同じように真摯である。

魚料理を極めるため日本で修行中
フレンチと和食の融合を目指す

コンタン・スセさん(日本在住、23歳)

コンタン・スセさん(日本在住、23歳)
コンタン・スセさん(日本在住、23歳)

フランス人のスセさんは、ウェスティンホテル東京にある「日本料理 舞」で働く唯一の外国人料理人だ。

スセさんは、もともと母国のフランス料理店「jean des sables」で働いていた。スセさんが和食に取り組んだのは、そこのシェフが魚好きだったから。シェフの影響で、自身も魚料理を極めたいと考えるようになった。そのためにはどうするか考えた結論が日本での修行だった。

「フランスでは、和食、とりわけ魚を使った料理が高く評価されている。日本のことを『魚の国』と呼ぶほど」と語るスセさんが、日本にやってきたのは8カ月前のこと。まだ和食修業はまだ始まったばかりだ。

日本語もまだあまり話せないのでコミュニケーションに不便を感じている。だが、スセさんを指導する店の料理長は「正直、最初は大丈夫なのかと思っていたが、実際いっしょに働いてみるとやる気がすごい」と言う。

「とろろだけはいまもって味も触感も苦手」と言うスセさんだが、納豆などの日本ならではの食材にも徐々に慣れてきた。

「日本人は、野菜にしても魚にしても、旬を大切にする」と感じているスセさんは、今大会に出品した料理「鮭のあられ揚げ 馬鈴薯のソース(ジャパン フラッグ)」で、メーンの鮭を始めとして旬の食材を揃えた。凝ったのは、朱色の鮭を取り囲むようにジャガイモで作ったビシソワーズソースを添えて日本国旗を模したこと。ファイナリストの中で最も和食の経験が浅いスセさんだが、その料理はセンスの良さを感じさせた。

「自分の料理のベースになっているのはやはりフランス料理。そこに日本で学んだ和食の技術やエッセンスをミックスさせて自分なりの味を作りたい」と語る。

まだ正式な了承は得ていないが、もう1年修行を続けさせてほしいと修行中の店に願い出ている。

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