遺伝子型に応じた食事でダイエットに成果(後編)

2005年10月14日

太るのは遺伝子のせい?

例えば、日本ウェイトマネージメント(東京都港区、佐藤芹香社長)は、3つの遺伝子の違いを検査し、結果に見合ったダイエット法を指南している。その際、分かりにくい名前の遺伝子の違いを馴染みやすい言葉に置き換えたのがポイントだ。それぞれ、体の見た目に合わせてリンゴ型、洋ナシ型、バナナ型と名付けた。

これで説明すると、リンゴ型はウエストに脂肪がつきやすく、日本人の約34%を占める。リンゴ型は1日に200kcalも普通の人より消費量が少ないため、太りやすい。洋ナシ型はヒップと下腹部に脂肪がつきやすく、日本人に占める割合は25%。1日に100kcalだけ消費量が少なく、やはり太りやすい。バナナ型は逆に脂肪がつきにくく、日本人に占める割合は16%。普通の人より1日に200kcalも消費量が多いのが特徴——となる。

したがって、リンゴ型とバナナ型で、見た目が同じだとしても、同じダイエット方法をしている限り、同じ結果は得られない。2人の間には、何もしなくても消費量で300kcalもの開きがあるという遺伝子の違いがあるからだ。そして、「あなたはリンゴ型なので200kcal分、控えなければダイエットできません」と説明すると、これまでほかの方法で挫折してきた人たちの多くが納得するという。

次に「どんな食事を摂ればダイエットできるの?」というニーズに対応するのが「テーラーメード食品」で、日本ウェイトマネージメントは8月、日本初の「テーラーメード食品」を標榜し、3つの遺伝子型に応じた冷凍食品を発売した。

遺伝子知れば認知症の予防も

食事をするのに、自分の遺伝子にお伺いをたてなければならない時代がやってくるとは、いささか窮屈な感じもする。また、病気への罹り易さが分かってしまうなどの理由で、遺伝子検査に抵抗がある向きも多いだろう。しかし、肥満に関係する遺伝子だけを調べれば、確実な効果が期待できるダイエット法が提供される。むろん、個人情報保護の観点からの慎重な取り組みは必要だが、拒否する理由もない。

ましてや、次の話を聞いたらどう思われるだろうか?葉酸というビタミンB群の栄養素は、ホウレンソウなどに多く含まれ、最近では欠乏すると認知症のリスクも高まると発表された。その葉酸は日本人の食事摂取基準で、1日240μgの摂取を推奨している。しかし、「これでは日本人の15%を占める、ある遺伝子を持った人にはリスクが高いまま。このタイプの人は 1日400μg摂って、初めて認知症発症のリスクが下がり、ほかの型と同等になる」と女子栄養大学の香川靖雄副学長は警鐘を鳴らす。遺伝子検査を受けて認知症のリスクを知り、結果次第で葉酸を多く摂りますか? それとも、遺伝子検査は怖いので受けませんか?(日経レストラン11月号「食の安全・安心」より)

(中野 栄子)

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