「日経レストランONLINE」は、「日経レストラン」の休刊に伴い、3月末日をもって更新を休止することになりました。長らくご支援を賜りました皆様に厚く御礼を申し上げます。

野菜を巡るホントウの話

自給率低いのになぜ産地廃棄?(後編)

2009年10月14日

(前編はこちら

農業の安定のためにも
「契約栽培」に目を向けよう

だが、農産物が供給過剰になると価格は暴落し、生産コストを大きく下回ることがある。農家にとってそれは死活問題だし、そもそも毎年の生産量が安定しないのは困る。そこで、特に消費量の多い野菜を生産する産地では、安定生産や安定供給を図る必要性から、供給過剰の時には市場価格を維持させるため産地廃棄が行われ、いくばくかのお金が支払われることになっているわけだ。こうした指定産地以外のところでも、サイズが規格に合わないといった理由から廃棄される農産物が少なくない。

こうした“もったいない”状況に対し、飲食店は何ができるだろうか。多くの飲食店ではメニューや使用する野菜の種類・量があらかじめ決まっているが、豊作で安い農産物があれば臨機応変にメニューに取り入れ、普段より多く買うようにするのが一策だ。少しでも需要を増やせば消費拡大につながるはずだ。

それ以上に主張したいのは、飲食店は契約栽培にもっと目を向けるべきということだ。野菜は毎年価格の変動が大きく、大手企業は価格の安定を図るため、産地と契約し、量や価格を事前に決めることが多いが、個人店でも契約栽培に目を向けてはどうか。そうすれば、農業経営の安定が図られ、自給率向上につながるし、規格外の野菜を無駄なく使い切ることもできるはずだ。

中村 敏樹氏

農業コンサルティング会社社長。国内外の生産技術に通じ、農家の指導や外食向けの食材コンサルティングを行う。日本ベジタブル&フルーツマイスター協会講師