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野菜を巡るホントウの話

寒さこそ美味しさの元(後編)

2009年11月17日

(前編はこちら

ホウレンソウ

味の良いホウレンソウは、葉が厚く、茎が短めで葉先がピンとしているのが特徴。また、根元が赤い東洋種の場合は赤みができるだけ濃いものを選ぶこと(写真は西洋種との交雑種)。これらは、寒さに当たってじっくりと成長した証といえる。葉の色が濃いものは、アクが強かったり、地下水汚染の原因と言われる硝酸態チッソの含有量が多い可能性がある。

人参

品種によって若干異なるが、人参は収穫直後が美味しいとは限らない。みずみずしいが、独特の香りがきつく、敬遠する人も多い。収穫後10日ほど経ったものなら臭いが薄く、水分も減って甘味が増している。色は濃いほどカロテンの含有量が多く、栄養的にも優れる。また、肩の部分が黒く変色したもの、芯(輪切りにした際の中心の白っぽい部分)の太いもの、葉の切り口が大きいものは育ち過ぎで硬く、甘味も栄養価も劣る。

ブロッコリー

代表的な冬野菜だが、端境期には米国などから氷詰めで輸入され、1年中流通している。輸入物にはワックスが使われているという人がいるが、これはブロッコリー自体が出す天然のワックス成分で何ら問題がない。寒さのため紫色になったブロッコリーは市場ではあまり好まれないが、実はこの色(写真)こそ美味しさや栄養の高さの印。葉も寒さに当たると紫色に変色し、こちらは青汁に最適。


中村 敏樹氏

農業コンサルティング会社社長。国内外の生産技術に通じ、農家の指導や外食向けの食材コンサルティングを行う。日本ベジタブル&フルーツマイスター協会講師