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野菜を巡るホントウの話

栄養豊富な冬の伝統野菜(前編)

日本のスローフード食材を見直せ

2009年11月24日

水菜

株が張っているのは歯ざわりが良く鍋向き、小さくて軟らかいのはサラダ向き

京都の伝統野菜で、京菜ともいう。本来は1株が1kgにもなる野菜で、「ハリハリ」と呼ばれる歯ざわりの良さを生かして鍋の材料などに使われたが、近年は荷姿も随分と変化。シュウ酸が少なく生食が可能なため、株張りが少なく軟らかい水菜をサラダに用いることが多くなっている。

ミネラル、鉄分、カリウム、食物繊維が豊富。ビタミンCの含有量もホウレンソウの約1.4倍ある。

セリ

春の七草に数えられるなど、馴染みの深い野菜だが、昔ほど一般的には使われなくなってきた。しかし、独特の香りと歯ざわりの良さがあり、セリ粥やおひたしにすると胃にも優しい。

旬を迎える1~2月は香りが最も良く、栄養的にもカロテンの量が増えるのでまさに食べどき。カロテンは油と一緒に摂ると吸収されやすいため、ゴマ和えやクルミ和えにするとよい。ほかに、カリウム、カルシウム、葉酸、鉄などを含む。葉や茎の緑色が鮮やかで、ハリのあるものを選ぶこと。

ミツバ

日本原産で山野の日陰に自生するが、市場に流通するのは栽培物。香りが強く、葉ごたえのある根付きの「根ミツバ」、ビニールハウスで茎を日に当てないように栽培し、根を切り落とした「切りミツバ」、ハウスで日を当てた茎の青い水耕栽培の「糸ミツバ」がある。

根ミツバや糸ミツバは、カロテンやほかのビタミン類が豊富。ほかの野菜に比べて細く、ゆで時間や水にさらす時間が短い分、ビタミン類の流失が少ないのが特長だ。刻んで薬味、茶碗蒸しや雑煮の具にするとよい。根ミツバはアクが強く硬いので、サッとゆでておひたしや和え物にするとよい。

中村 敏樹氏

農業コンサルティング会社社長。国内外の生産技術に通じ、農家の指導や外食向けの食材コンサルティングを行う。日本ベジタブル&フルーツマイスター協会講師

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