
「味」と「大きさ」の微妙な関係(後編)
(前編はこちら)
「 大きさ」と「味」の関係
野菜にもこのズレが見られる。ジャガイモやトマトの場合、やはりLやM玉が売れ筋で高値が付くが、実は同じ品種では小玉の方が旨い。大きなものは水や窒素が行き過ぎて水っぽいことが多い。それでも大玉が生産されるのは、その方が出荷できる箱の数が多く、お金になるからだ。
反対に、アスパラは1束2本程度の太いものが旨いが、実際には3〜4本の中くらいの太さが売れ筋で価格も高め。タケノコも太いものは家庭の鍋でゆでられないため敬遠されるが、実は太くて大きい方が栄養価が高く味も良い。
もっとも、農産物の味は大きさだけで決まるわけではなく、鮮度や熟度も大きく影響する。例えば、アスパラやタケノコは呼吸量が多く、時間の経過による品質の低下が著しいため、どんなに大きく立派でも、鮮度が低いものはお薦めできない。
このように一概に大きさで判断はできないが、大きいものや価格の高いものばかりが旨いとは限らないのも事実。農産物の価格は市場で決まることが多いが、その価格は必ずしも美味しさ本位で決まるわけではないことを、頭に入れておきたい。
中村 敏樹
農業コンサルティング会社社長。国内外の生産技術に通じ、農家の指導や外食向けの食材コンサルティングを行う。日本ベジタブル&フルーツマイスター協会講師
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